

〜今回の要点チェック!〜
- 主なトレードスタイルとして、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードの4つがある
- どのトレードスタイルにするのかは生活スタイルにも関係してくる
- 夜に時間が取れるサラリーマンであればデイトレードがおすすめ
- 初心者はデイトレードかスイングトレードから始めるのがおすすめ
- 順張りとリスクリワードを意識して自分のトレードスタイルを構築する
目次
トレードスタイルの種類
トレードスタイルを大きく分別すると4種類ありますが、本質的にはトレード回数をどの程度にするのかが自分のスタイルを構築する上でとても重要になります。
トレード回数が多いということは、必然的に一度に狙う利益は小さくなります。
反対にトレード回数をなるべく減らそうと思えば、一回ごとのトレードで大きな利益を狙わなければいけません。
このトレード回数がスタイルを決める基礎になっていることを覚えておきましょう。
それでは4種類のトレードスタイルを確認しましょう。
FXの主なトレードスタイル
- スキャルピング →短期売買を繰り返す
- デイトレード →ポジションは日をまたいで保有しない
- スイングトレード →数日、数週間の流れに乗る
- ポジショントレード →スワップ運用も含む、長期保有

スタイル | トレード回数 | 1回のトレード期間 | 狙う利幅 | 損切り幅 | レバレッジ | 必要な資金 |
スキャルピング | 1日数十回 | 数秒〜数分 | 3~10pips | 3~10pips | 高 | 少 |
デイトレード | 1日数回 | 数十分〜数時間 | 5~50pips | 5~20pips | 中 | 中 |
スイングトレード | 1週間数回 | 数日〜数週間 | 50~200pips | 20~50pips | 中 | 中 |
ポジショントレード | 1ヶ月数回 | 数週間〜数年 | 200~500pips | 100~200pips | 低 | 多 |
トレードスタイルごとに上記のようなことが明確に決まっている訳ではありません。
また、手法によってもかなり異なってきます。
上の表は目安であって、トレーダーによってかなり違いがあります。
4種類のトレードスタイル

スキャルピング
スキャルピングは短期売買を繰り返すスタイルです。
主に1分足や5分足チャートを見ながらトレードします。
テクニカル指標を用いて売買ルールをあらかじめ決めておき、1日に数十回トレードを繰り返します。
スキャルピングのメリット
- レバレッジをある程度上げることができる
- 資金効率が良い
- ファンダメンタルズはあまり影響しない
- チャンスが多い
メリットとしては、損切りを小さく設定するので、レバレッジをある程度上げて取引することも可能です。
そのため資金が少なくても増やしていけるという利点があります。
またファンダメンタルズの影響はあまり関係なく、ファンダメンタルズ分析の知識がなくてもテクニカル分析さえしっかりできれば大丈夫です。
また短い流れを狙うので、毎日チャンスがあるとも言えるでしょう。
スキャルピングのデメリット
- トレード時間の確保が必要
- トレード回数が多いので手数料や損失リスクがある
- 会社によっては、極端な短期売買は認められていない
デメリットとしては、トレード中はチャートを見ることになり、トレード回数も多いため、チャートに張り付いている時間が長くなることです。
またトレード回数が多いためその分、損失リスクも高まります。たとえ損切り幅を小さく設定していても、負けトレードが続くと大きな損失になります。
取引回数が多いためスプレッドの大きさも重要な要素になります。
さらにスキャルピングが認められていない会社もあり、そのような口座で極端な短期売買を繰り返していると、口座凍結という事態にもなりかねません。
スキャルピング禁止の主な会社
・DMM FX
・SBI FXトレード
スキャルピングOKの主な会社
・FXプライム byGMO
・ヒロセ通商
特にスキャルピングについて公言していない会社も多く、その場合は特に問題がない場合が多いです。
スキャルピングのトレードには反射神経も必要とされスキルを身につけるのも簡単なことではありませんが、このスキャルピングのスキルを身につけ成功すれば、他のスタイルよりも大きな利益を生み出すことができます。
デイトレード
デイトレードは1日でトレードを完結させ、基本は次の日に持ちこさないスタイルです。
基本は1日数回のエントリーで1日分の値動きを狙って取引します。
通貨ペアの1日あたりのボラティリティにも関係しますが、1日分の値動きを丸ごと利益にするのは難しく、50pips程度取ることができれば成功と言えるでしょう。
日足や4時間足チャートで流れを確認した後で、1時間足や分足チャートなどでエントリーのタイミングをつかみます。
テクニカル分析を主に用いますが、ファンダメンタルズ分析も必要になります。
デイトレードのメリット
- ポジションを日をまたいで持ち越さないのでリスク管理になる
メリットとしては、その日のうちにポジションを手仕舞うので、リスクを減らすことができます。
特に土日にポジションをもちこさないのはリスク管理においては重要です。
またトレードで負けたとしても、毎回次の日には新たな気持ちでトレードができるので精神的にも良いです。
デイトレードのデメリット
- 日によってトレードをするかどうかの判断が難しい
デメリットとしては毎日トレードをしようとすると、難しい相場になった時に利益を出すことができません。
動きがほとんどないような日もあり、そのような日に何度もトレードしてしまい損失を膨らませる可能性があります。
デイトレードも毎日というよりは狙いやすい日だけトレードする方が安定して利益を出すことができるでしょう。
スイングトレード
スイングトレードは比較的大きい流れを狙って取引します。
主には日足や週足チャートを使い、その流れに乗ることで大きな利益を狙います。
200pips程度を狙ってトレードするのが一般的です。
相場に流れが出ない時はエントリーチャンスがなかなか訪れませんが、逆に言えばチャートにずっと張り付いていなくても良いので、トレードにあまり時間をかけられないという人には適しています。
損切りについてもある程度値幅が必要なので、レバレッジはスキャルピングやデイトレードに比べて下げる必要があります。
日足や週足に注目しているトレーダーは多く、テクニカル分析がしやすい傾向にあります。
ファンダメンタルズ分析も合わせて利用するとさらにエントリーポイントが分かりやすくなるでしょう。
スイングトレードのメリット
- トレードに時間をかけなくてもよい
- テクニカル指標が機能しやすい
スイングトレードのデメリット
- エントリーチャンスが少ない
ポジショントレード
ポジショントレードとはスワップ運用も含め、数ヶ月から数年にかけてポジションを保有し、利益を狙うものです。
長い期間の変動に耐えるためにもレバレッジはなるべく低く抑えた方がいいです。
レバレッジ1~3倍程度で外貨預金に近い感覚で用いることもできるでしょう。
スイングトレードよりもさらにトレードに必要な時間は少なくなりますが、いいエントリーポイントで入ることができなければ、為替変動により損切り、またはロスカットになり大きな損失を出してしまいます。
テクニカル分析も必要ですが、金利動向や、経済状況などのファンダメンタルズ分析が長期保有のカギとなるでしょう。
レバレッジを下げて取引することから資金がある程度ないと大きな利益は期待できません。
ポジショントレードのメリット
- いい所でエントリーできれば、ほったらかしで長期保有も可能
ポジショントレードのデメリット
- 急激な為替変動によるロスカットリスクがある
- レバレッジを低く設定する必要があるため資金効率が悪い
トレードスタイルと生活スタイル


トレードスタイルを考える上で、生活スタイルは大変重要です。
例えば仕事が忙しくてほとんどトレードに時間をかけることができないサラリーマンがスキャルピングをしようと思っても難しいですよね。
まずはどのくらいの時間をトレードに費やすことができるのかを考えましょう。
毎日時間が取れるとしたらどの時間帯なのかも非常に重要です。




1日の中で常に一定にレートが動いている訳ではありません。
1日の中でも特に動きやすい時間帯というものがあります。
FXは為替変動を狙って利益を出すものなので、基本は値動きがある時間帯を狙って取引することになります。
ただその分損失リスクも抱えることになるので、損切りを必ず設定しましょう。
損失を早い段階で確定して負けを認めることが重要になります。
話が少しそれましたが、その動きやすい時間帯は三大市場と関係しています。
FXの三大市場
- 東京市場
9:00 ~ 15:00 - ロンドン市場
17:00 ~ 1:00(夏時間16:00 ~ 0:00) - ニューヨーク市場
22:00 ~ 6:00(夏時間21:00 ~ 5:00)
このニューヨーク時間の始まりを狙って取引をすると大きな利益につながります。
注意したいのはこの時間帯は重要なアメリカの経済指標が発表される時間帯なので、急騰や急落する時間があります。
あらかじめ発表日時が決まっているので、その時刻はトレードを避けるか、その後の流れに乗るようにすると良いです。
デイトレードをサラリーマンのまもる君に勧めましたがデイトレードだからといって毎日トレードをする訳ではありません。
分かりやすい、勝ちやすい相場だけを狙って取引すればいいので、毎日トレードに時間を費やさなければならないという訳でもありません。
むしろ最初のうちはトレード回数が多ければその分損失につながりやすいので、トレード回数が少ないほどいいかもしれません。


100pipsはデイトレードで2回うまくトレンドに乗れれば取れます。
極端な話をすれば、月に2回エントリーして2回とも成功すれば資金を10%増やせることになります。
資金50万円なら5万円、資金100万円なら10万円ですね。
もちろん負けることも考えるとこんなに簡単なことではありませんが、デイトレードだとしても月2回のトレードで十分ということですね。
今はサラリーマンのまもる君のトレードに使える時間をもとに話しましたが、三大市場が朝、夕方、夜と分かれているので、自分の時間が取れる市場を狙うというスタイルもおすすめです。
欲張って全ての市場を狙うよりも一つに絞ってトレードを繰り返した方が、勝ちやすいです。
ポイント!
- サラリーマンの場合は、ニューヨーク時間を狙ったデイトレードがおすすめ
初心者に向いているトレードスタイルとは


初心者におすすめなのはデイトレードかスイングトレードです。
これは消去法の結果でもありますが、まずスキャルピングはスキルが必要なことと、トレード回数が増えることで損失リスクが大きくなることはお伝えしましたね。
またポジショントレードについては、トレードに時間がかからないメリットはありましたが、最初のうちはリスク管理がうまくできず相場変動によって大きな損失を出してしまう可能性が高いです。
レバレッジを低く設定しないといけないことから、せっかくのFXの魅力が半減してしまうこともあります。

取引回数をどの程度にするかで変わってきますが、損切りをできるだけ小さく設定できれば、多少勝率が悪くても利益を出すことはできます。
デイトレードなら三大市場のどれか1つを狙って基本は1日1回のトレードに集中します。
スイングトレードをするならしっかりとファンダメンタルズ分析も含めて相場分析して長期保有を目指しますが、エントリーについてはやはり三大市場のどれかを狙っていくことになります。


デイトレード、スイングトレードに関係なく1日の中でどの時間帯をトレードに使うのかはしっかりと決めるべきですね。
ポイント!
- 初心者はデイトレードまたはスイングトレードから始めるのがおすすめ
初心者は順張りを意識しよう
初心者にはデイトレードとスイングトレードをおすすめしましたが、具体的な狙い方を説明しておきます。
トレードには順張りと逆張りがあります。
順張りとはトレンドが継続するのを狙ってトレンド方向の流れに乗ることです。
逆張りはその反対で、トレンドが反転するのを狙ってトレンドの反対方向のエントリーをすることです。

順張りの方がトレンドに乗れる可能性が高いので、利益も伸ばしやすいです。
逆張りは成功したと思ってもまた元の流れに戻って損切りということもよくあります。
逆張りには相場を読む力も必要になるため、ある程度の経験やスキルが必要です。

リスクリワードを意識しよう
最後にトレードスタイルにかかわらず大切なことを伝えておきます。
どのトレードスタイルでも損失と利益のバランス、リスクリワードが重要になります。
例えば、損切りは20pipsで利益は100pipsを狙う場合はリスクリワードが1 : 3ということです。
このリスクリワードのバランスと勝率を最適化することが自分のトレードスタイルを構築するのにとても重要なのです。

この場合は1勝3敗以上の結果が出せれば利益が出ます。
例えば1週間の中で4日狙いやすい日を絞って1日1回、合計4回トレードして1回でも勝つことができればマイナスにはなりません。
このリスクリワードをどれくらいに設定するかで結果が大きく変わります。
トレードスタイルや手法を構築する上でもとても大切なので、意識するようにしましょう。