

〜今回の要点チェック!〜
- スピード注文においてはスリッページ設定を最適化する
- 指値注文は今よりも有利なレートで売買する注文方法、新規注文や利益確定注文で使う
- 逆指値注文は今よりも不利なレートで売買する注文方法、主に損失確定注文で使う
- IFD注文は新規注文と決済注文を同時に発注する
- OCO注文は利益確定と損失確定の両方の決済注文を設定する
- OCO注文がマスターできればリスクリワードの改善につながる
- IFO注文は事前に全ての値を決めてから注文できる
目次
注文方法の基本と種類を確認しよう
FXにおける注文は極端に言えば、買うか売るかの2択ですが、実際にトレードをしてみると様々な注文方法に戸惑うこともあるでしょう。
まずはFXの注文の基本から確認しましょう。
FXの注文の流れは、外貨を「買って(新規注文)から売る(決済)」または外貨を「売って(新規注文)から買い戻す(決済)」がワンセットです。
新規注文してから決済注文するまでは評価損益といって確定していない利益や損失がレートの動きに合わせて変動します。
また、新規注文することを「エントリーする」、「建玉を保有する」、「ポジションを持つ」などと表現することがあります。
それでは基本が分かったところで主な注文方法を確認しましょう。
注文方法の種類
1. スピード注文 / クイック注文 / ストリーミング注文
2. 成行[なりゆき]注文
3. 指値[さしね]注文
4. 逆指値[ぎゃくさしね]注文
5. IFD[イフダン]注文
6. OCO[オーシーオー]注文
7. IFD-OCO[イフダンオーシーオー]注文 / IFO[アイエフオー]注文
その他にも各FX会社によってリピート注文や、トレール注文などがありますが、ここで例に挙げた注文方法について詳しく解説していきます。
スピード注文 / クイック注文 / ストリーミング注文

呼び方は各会社によって異なる場合が多いですが、現在のレートで買うか売るかを注文する一番シンブルな注文方法です。
設定をすれば、レートのボタンを押すだけで注文成立してしまうので誤操作しないように注意が必要です。
新規注文にも決済注文にも使うことができます。
為替レートは常に変動しているために、この注文方法はレートに表示されている価格と実際に約定した価格のズレが生じる場合があります。
このズレのことをスリッページといいます。
「ズレ」はトレーダーにとっては取引コストを意味するので、一定以上ズレた場合はボタンを押しても約定させない(注文成立させない)という設定をすることができます。
スリッページ設定と呼ばれるものですが、各取引ツールの注文設定の箇所にあります。


ただし、この値を小さくしすぎると、動きが激しい時間帯などは注文してもなかなか約定しなくなります。
反対にいくらかスリッページが発生してもしっかり約定させチャンスを逃さないようにするならばスリッページ設定は5pips程度が望ましいです。
トレードスタイルによっても変わってくるので、自分に合った設定を探しましょう。
成行注文
まれにスピード注文だけで成行注文がない場合もありますが、上で説明したスピード注文等は、そもそも成行注文と同じ種類の注文方法だからです。
成行注文も現在のレートで買うか売るかを選択する注文方法です。
新規注文にも決済注文にも使うことができます。
スピード注文との違いは、成行注文にはスリッページ 設定がない場合もあることです。
このあたりはFX会社により異なります。
GMOクリック証券FXネオの場合はどちらにもスリッページ 設定があります。
もう一つの違いは、スピード注文はワンクリックで注文できるのに対して、成行注文には確定ボタンを押すなどの追加操作が必要なことです。


指値注文
この注文方法は、レートの値を指定して注文する方法です。
新規注文にも決済注文にも使うことができます。
「現在よりも安い値を指定して買う」または「現在よりも高い値を指定して売る」場合の注文方法です。
簡単に言うと今よりも有利なレートで売買設定する方法です。
例えば現在のレートが100円だとすれば、95円で買いの新規注文を出したい時、または105円で売りの新規注文を出したい時の注文方法です。
決済注文に用いる場合は利益確定の決済注文で使うことになります。
例えば新規成行注文で100円で買いエントリーをした場合は101円で利益確定の決済注文するときに指値を使います。
逆指値注文
この注文方法も指値と同じくレートの値を指定して注文する方法です。
新規注文にも決済注文にも使うことができます。
指値と反対で「現在よりも高い値を指定して買う」または「現在よりも安い値を指定して売る」場合の注文方法です。
簡単に言うと今よりも不利なレートで売買設定する方法です。
この逆指値注文を新規注文で使うのはまれで、主には損失確定(損切り)の決済注文などで使われることが多いです。
例えば新規成行注文で100円で買いエントリーをした場合、99円で損失確定(損切り)の決済注文するときに逆指値注文を使います。
もし新規注文として逆指値を使うことがあるとすれば、以下のような場合です。
例えば現在レートが109円で110円のラインはこれまでに何度も押し返されたとしましょう。
110円がレジスタンスラインとして機能していますが、このラインを越えればさらに上昇が見込めそうだという場合で「110.1になったら買いでエントリーしたい」時に逆指値を使うこととなります。
逆指値注文の注意事項はスリッページ が発生しやすいことです。
また注文の性質上スリッページ 設定ができないので、決済注文として逆指値を利用していた場合にスリッページ が発生すると予定していた額を上回る損失を出してしまうこともあります。
対応策としては流動性が高い通貨ペアを選ぶことや、約定力が高いFX会社を選ぶことです。
IFD注文
ここまでの注文方法が理解できれば、ここからはそれらを組み合わせた注文方法となります。
IFD注文とは、新規注文と同時に決済注文も同時に発注できる注文方法です。
決済注文としては利益確定(指値)注文または損失確定(逆指値)注文のどちらかを設定できます。
例えば、米ドル円が111円の時に「110円になったら新規買注文(指値)をして、そこから112円まで上がったら利益確定(指値)注文を入れたい」という場合に用いることができます。
注文を出すと、新規注文→決済注文の順で成立し、逆になることはありません。
OCO注文
OCO注文とは、2種類の決済注文、つまり利益確定の決済注文(指値)と、損失確定の決済注文(逆指値)を両方同時に設定する注文です。
新規注文でポジションを持った後に追加で設定することもできますし、新規成行注文と同時にOCO注文を設定することもできます。
例えば米ドル円110円で新規成行注文で買った後に、109.5まで下がった場合の損失確定の決済注文と、111円まで上がった場合の利益確定の決済注文を追加設定できるのです。
どちらかの注文が成立すると残りは失効します。
IFD-OCO(IFO)注文
IFD-OCO(IFO)注文は、これまでに説明したIFDとOCOの2つの注文を合わせたものです。
つまり、〇〇になったら新規エントリーして、〇〇になれば利益確定の決済、〇〇になれば損失確定の決済というように3つの値を事前に決めておく注文方法です。
このように新規注文から2通りの決済注文に至るまでの全てを決めた注文方法を利用すると、チャートとにらめっこして画面に張り付いている必要はありません。
例えば、「朝方にこのIFO注文を発注して夕方にどうなったか確認する」というようなトレードも可能だということです。
損切り注文を忘れずに
様々な注文方法がありましたが、決済方法をもう一度確認してみましょう。
決済方法
- 現在のレートで利益確定決済または損失確定決済を執行
- 利益確定決済(指値)、損失確定決済(逆指値)のどちらかを設定(IFD)
- 利益確定決済(指値)、損失確定決済(逆指値)の両方を設定(OCO)
以上の3通りの方法がありましたね。
損失確定決済(損切り)を考える上で1はやめた方がいいです。
損切りを事前に設定していない時点で、レートの急騰急落などにより大きな損失を出してしまうリスクが常にあります。
リスク管理のためにも損切りは必ず事前に設定するようにしましょう。
IFDで損失確定決済の設定をしてもいいのですが、どうせならOCOで利益と損失をどちらとも設定する方がいいです。


事前に決めずに裁量に任せてしまうと、どうしても損が大きく利が小さくなる傾向があります。
ある程度機械式に決めて、エントリーしたらチャートを見ないようにする方が精神的にも楽です。
取引ツールの注文設定で、成行エントリーと同時にOCO注文を入れることができる場合もあります。
例えば損失8pips、利益30pipsなどと事前に設定しておくとエントリーするだけで設定した2通りの決済注文が自動発注されるのです。
成行ではなく指定した値でエントリーしたい場合は今回最後に説明したIFO注文を使いましょう。
これらの決済注文の値はエントリーした後に変更も可能です。
繰り返しますが、損切りはエントリーと同時に必ず設定するようにしましょう。