

〜今回の要点チェック!〜
- 水平線を突破した後の流れを狙う場合は戻って反発を確認してからの方が安全
- 水平線の反発を狙う場合は順張りで、押し目や戻りを狙うのがおすすめ
- トレンドラインを用いてのエントリーする場合は他の要素と複合させて利用する
- 移動平均線を利用したエントリー方法にはグランビルの法則やゴールデンクロス、デットクロスがあるが、それだけではエントリー根拠が乏しい
- チャートのどの時間軸をエントリーの基本にするのかを決めて上位足の相場環境を加味してトレードの戦略を決める
- 三大市場を理解して、1日のうちのどの時間帯でトレードしているのかを意識する
- 「エントリーしない」という判断がしっかりとできるようになることが重要
水平線に注目しよう
まずはチャートに水平線を引いてエントリーのタイミングをつかむ方法から説明していきます。
水平線には上値を抑えるレジスタンスラインと下値を反発するサポートラインがありましたね。
例えば次のチャートのレジスタンスラインに注目してみましょう。
何度も上昇を跳ね返されているのが分かりますね。
このようなラインは多くのトレーダーに意識されているラインで、ここを上抜けば上昇していく可能性が高いですし、ここで上値を抑えられると下落に転じる可能性が高くなります。
この場合のエントリー方法は大きく分けると2つです。
- ラインを上抜けてから「買」エントリーする
- ラインに引きつけてから「売」エントリーする
1の場合はラインを突破したのを確認してからさらに大きく伸びることを期待してエントリーする方法でブレイクアウト手法とも言われます。
注意点としてはラインの突破がダマシになることも多く、ラインを突破したからといって飛び乗ってしまうとすぐに戻ってくるということもよくあります。
例えばAで「買」エントリー した場合は一時含み益が発生しますが、その後戻ってきているので、含み損を抱えることになりますね。
相場の勢いが強く、さらには多くの参加者が注目している重要ポイントであれば、この飛び乗りのブレイクアウト手法もうまくいくことがありますが、その判断はラインを超える前の段階では難しいです。
そこでエントリーの優位性をより高めるためにはラインを突破してからそのラインに再び戻って反発したところを狙うことがポイントです。
Bでのエントリーはレジスタンスラインがサポートラインに役割を変えて下値を反発するライン(レジサポライン )に変わるのを確認してからエントリーする方法です。
2についてはレンジ相場の逆張りとしてよく使うエントリー方法です。
レジスタンスラインに近づいたら売りを狙い、サポートラインに近づいたら買いを狙う方法ですね。
反発を狙ったもう一つのエントリー方法はトレンド発生時の押し目や戻りでできたラインの反発を狙ってエントリーする方法です。
つまり順張りで狙うエントリー方法ですが、次のチャートを見て下さい。
上昇トレンドが発生して押し目を作っている箇所がA付近ですね。
ここでサポートラインに注目してこのラインに引きつけて「買」エントリーをする方法です。
トレンドの勢いが強い場合は、ローソク足が何本も停滞せずにすぐに反発してしまうこともありますが、順張りの押し目や戻りを狙ったエントリーを考える時には水平線を意識してエントリーすると損切りの設定もしやすいです。
ここまでで水平線を利用したいくつかのエントリーパターンについて説明しましたが、共通するのは水平線の突破後の流れを狙うか水平線での反発を狙うかのどちらかになります。

トレンドラインに注目しよう
次はトレンドラインに注目してエントリーをする方法です。
上昇相場は上昇トレンドライン、下降相場は下降トレンドラインに注目して、そのラインでの反発や突破を狙ってエントリーする方法です。
トレンドが明確に発生している場合は、エントリーの根拠に使いやすいですが、トレンドラインについてはどこを始点にしてラインを引くか、またどのローソク足を結ぶのかで、ラインが1つに定まらない場合もあります。
またラインを突破してから反発することもよくあり、ラインを突破したからといって反転を狙ってすぐにエントリーするのは失敗することが多いです。
ラインでの反発を狙ったエントリー方法についても、このトレンドラインだけでエントリーを判断するのはおすすめしません。
エントリーの根拠は多いほど優位性が増すのですが、先ほどの水平線とこのトレンドラインを複合させてエントリー判断する方法が一つのエントリー例です。
上のチャートのようにサポートラインと上昇トレンドラインが交差するAで「買」エントリーすると上昇トレンドに乗れる可能性が高いです。
移動平均線に注目しよう
次は移動平均線に注目してみましょう。
移動平均線を利用したエントリー方法についてはこちらを参照して下さい。
まずはグランビルの法則とも呼ばれるものですが、簡単に言うと移動平均線を突破、反発、乖離したのを根拠にエントリーする方法です。
また2つ以上の移動平均線が交差するのを狙ってエントリーする方法があります。
ゴールデンクロス、デットクロスとも呼ばれ、エントリーの判断材料としては用いやすいですが、やはりこれだけでエントリーしても失敗することも多いです。


エントリーに使うチャートの時間足を意識する
ここまでエントリーの根拠となる様々なテクニカルについて説明してきましたが、あくまでエントリーの判断材料の一つとして用いることが大切です。
上でも説明したようにいくつかの根拠が重なる時にエントリーを絞るとより優位性が高まります。
またもう一つ大切なのは、エントリーする際にどの時間足チャートを基本にするかということです。
トレードスタイルにもよりますが、例えば、1時間足チャートでは下落相場だったとしても日足チャートでは上昇中の押し目という場合もよくあります。
複数足のチャートを見るのは大切なことですが、エントリーする際にどの時間軸のどの流れを狙うのかを決めていないと戦略もたてられません。
どの時間足が正解という訳ではありませんが、エントリーの基本となる時間足を固定するようにしましょう。
例えば、先ほどの1時間足は下落相場で、日足は上昇中の押し目の場合はどうでしょうか。
基本は短期足の流れは長期足の流れに支配されることが多いので、この場合は1時間足チャートを軸にしてトレードするのであれば、細かく利益確定をするか、日足の流れと同じになるまで待ってエントリーした方が良いです。
トレードの軸となる時間足チャートはどの方向か、その上位足チャートはどの方向かをしっかりと認識してトレードすることがエントリーの戦略を考え、優位性を上げる上での大きな要素です。
例えば、下のチャートのようなレンジ相場だとしたら上下のラインに引きつけて売りでも買いでも狙うことは可能です。
ただし、このチャートの上位足が上昇トレンドの中にあったらどうでしょうか。
優位性の高いのはサポートラインに引きつけて「買」のエントリーを狙うトレードになりますね。
この売りでも買いでも狙えそうな相場の際にどちらに優位性があるのかを考えるのにチャートの時間足の意識は重要なのです。
エントリーする時間帯を意識する
次は1日の中でエントリーする時間帯についてです。
1日の中であまりエントリー時間を気にせずに空いている時間にエントリーするようなスタイルでは上手くいかないことが多いです。
FXは平日なら24時間取引が可能ですが、大きく動きやすい時間帯というのがあります。
三大市場とも呼ばれていますが、東京市場、ロンドン市場、NY市場です。
これらの市場が始まる際にトレンドが発生することが多くもし、そのトレンドにうまく乗ることができれば大きく利益を伸ばすことができます。
一旦大きく利益が伸びれば、その分損切りにかかる可能性も少なくなりますし、ある程度利益が伸びれば建値(決済をプラスマイナス0にすること)にすることで、ノーリスクで利益を伸ばすことができます。
それぞれの市場の前は突発的な動きやダマシの動きもよくあるので、簡単にエントリーできるという訳ではありませんが、市場開始を狙ってエントリーするのも一つの方法です。
三大市場の中では東京市場を狙って7~8時台にエントリーするのが比較的狙いやすいです。
ロンドン市場前には上下に大きな動きをすることが多く、動きに慣れるまでは損切りにかかることも多いです。
またNY市場は指標が発表されることも多いので、うまく行けば利益を伸ばせますが、損切りを設定しない場合は大きく損失を抱えてしまう可能性も高いです。

ポジポジ病に注意
エントリーのタイミングをつかむのは最初難しく、なかなかエントリーのタイミングがつかめないことも多いですが、実際に資金を入れてトレードするのであればエントリー回数は少ない方が安全です。
その反対がポジポジ病とも言われ、常にエントリーしてポジションを持っていないと落ち着かなくなるトレーダーのことを指します。
ルールや根拠もないまま勘や感情に頼ってトレードをするとポジポジ病になってしまう可能性があります。
トレード回数を増やして利益が増えるのはごく一部の腕のあるトレーダーで、多くはトレード回数を増やすほどに損失が膨らんでいきます。
エントリーは多くの根拠を総合して判断して、エントリーポイントを厳選することが重要です。
たとえ大きなチャンスを逃してしまったと思っても、待っていればそのチャンスはその先何度も訪れます。
焦って良くないエントリーポイントで飛び乗ってしまうくらいなら、次のチャンスを待ってより良いエントリーポイントで入った方が、優位性が高いです。

大きく動いたのにエントリーできなくて悔しいという場合でも、たまたま今回はそうなっただけで、反対方向に動いた可能性もあったことを考慮しましょう。
資金を守る一番の方法がエントリーしないことだということを覚えておきましょう。