

今回の要点チェック!
- 直近の高値や安値には、買い手と売り手の様々な心理が隠されている
- 水平線は、エントリー、利益確定、損失確定というトレードの全ての判断材料になる
- 水平線を引く時は、高値安値や何度も跳ね返されているポイントを見つける
- 水平線はチャートの上位足の方がより意識される
- エントリーは、レジスタンスラインとサポートラインが入れ替わるレジサポラインに注目する
目次
水平線から大衆の心理を読もう



例えば、上昇していた相場がAの位置で止まり反転して下がってきたとしましょう。
Aの位置では何かしらの理由で売りたいトレーダーの力が買いたいトレーダーの力を逆転してしまったことを意味していますね。
Bの位置まで下がり止まった時に上昇トレンドがまだ続いているのなら再上昇することになりますね。



なぜだか分かりますか?
Cの地点ではもう一度反落する可能性があるため、Aよりも前に買っていた人は決済したくなる(売りたくなる)ポイントですね。
またA付近で上がると思って買ってしまった場合は高値をつかんでしまって、これまで評価損益がマイナスだったところプラマイゼロ付近まで戻ってきたので、利益が出ていなくても決済して(売って)逃げる場合も多いでしょう。
さらには、一回Aで反落しているから同じレートでまた反落するだろうと予想した人はCのラインまで上がったところで新規で売りエントリーするのを狙うでしょう。
つまり少なくともCの地点では3パターンの売り勢力がいることになります。
上昇トレンド中であれば、買いたいトレーダーの力の方が強いはずですが、毎回この直近高値や直近安値というのは、売りたいトレーダーと買いたいトレーダーの力くらべが行われている戦場なのです。
直近高値を更新するときは買い勢力が勝ち、反転するときは売り勢力が勝ったことを意味します。
また戦いに参加せずこの戦いを遠くから見ていたトレーダーの中には勝った方についていこうとする人もいるでしょう。
ラインを突き抜ければ買いをしよう、ラインに跳ね返されたら売りをしようという場合です。
つまりライン付近の戦いで上下どちらに動くかは多くのトレーダーが注目しているポイントなのです。
もしそれが何度も跳ね返されているようなラインであればますますその注目は高まることでしょう。
ライン1本にも様々なトレーダーの心理が映し出されているのが分かったでしょうか。
まとめると水平ラインは買い勢力と売り勢力のぶつかりが生じるところ、天下分け目の大決戦が行われる場なのです。
水平線を利用したトレードのメリットとは?


水平線は上昇局面では支持線(下落を阻止するライン)、下降局面では抵抗線(上昇を阻止するライン)としても機能します。
また先ほどの説明においてもわかるように、そのラインが破られるか守られるかの決着がつくと一方向に動きやすいという傾向があります。
例えば、支持線として強く機能している水平線をもとに損切りを設定して、買いでエントリーして、利益確定は直近の高値ラインに設定などとすることで、水辺線はトレードに必要なエントリー、損切り、利益確定のすべての判断材料になるのです。
中にはこの水平線のみを判断材料に用いて利益を出しているトレーダーもいます。
複雑なテクニカル分析も多くありますが、水平線はシンプルで分かりやすいというのも特徴ですね。
水平線の引き方の基準は?
ローソク足のヒゲの扱い方
まずは水平線を引く時にローソク足チャートの場合は下の例のように、実体と呼ばれる部分とヒゲと呼ばれる部分があります。
水平線を引く時に、実体を基準にするのかヒゲを基準にするのかという問題があるでしょう。
簡潔に言えば、「人によって異なる」のですが、大切なのは水平ラインを1pipsもずれることなく引くことに意識を向けるよりも幅を持ってゾーンとしてきちんと大衆に意識されている水平ラインを引けるかの方が大切なので、どちらでも構わないと思います。
あえて言えば、もし損切りラインに設定するようであれば、ヒゲも含めてラインを引いた方が切られにくいという点はあるでしょう。
大切なのはゾーンとして、正しい位置に水平ラインを設定できているかなので、そちらの方に意識を向けるようにしましょう。
そもそもあまり大衆に意識されていない水平ラインに注目してしまったら、ヒゲや実体がどうであれ関係ないですよね。
高値安値を意識しよう
ではヒゲの扱い方が分かったら実際に水平線を引いていきましょう。
まず一番簡単なのはチャートの見えている範囲で一番の山(高値)と一番の谷(安値)を見つけることです。
この2つのラインが引けたらまずは大きなレンジを見つけることができます。
多少トレンドが出ても、しばらくの間はこの2つのラインの間で動いてきたことを示しています。
何度も跳ね返されるラインを意識しよう
その次はレンジの中で高値や安値が重なるライン、つまりは何回も跳ね返されたり、押し戻されたりしているラインを見つけます。
上のチャートではCとDの2つのラインを見つけることができました。
何度も反発を確認できたので、もしかすると今後もこれらのラインが機能する可能性は十分ありますね。
ただ注意して欲しいのは、必ずラインが機能するわけではないということです。
最初のうちは機能していても、何度もラインが破られるうちに全く機能しなくなることもよくあります。
この何度も跳ね返されるラインは実際のチャートでは慣れるまで見つけにくいこともあります。また見ているチャートに存在しない場合もあります。
慣れてくるとすぐに見つけられるようになりますが、最初はレートの切りのいい数字、例えば110や110.5などを参考にして見つけていくといいです。
レジサポラインを意識しょう
上の説明で水平線は下降の勢いを抑えたり、反発させたりする支持線や、上昇の勢いを抑えたり反発させたりする抵抗線としての働きがあることを説明しました。
これらの水平線の特徴として、一度破られてしまうと今後は反対の働きをする傾向があります。
例えば下のチャートを見てみましょう。
抵抗線(レジスタンスライン)として何度も上昇を抑え、跳ね返している水平線がありますね。(A地点)
ただ、一旦破られると今度は同じ水平線が、支持線(サポートライン)として下降を跳ね返しているのがわかるでしょう。(B地点)
一つの水平線で、レジスタンスラインとサポートラインの両方の働きをしているラインをレジスタンス・サポートライン、略して「レジサポライン」と呼んでいます。
これらの特徴も頭に入れて水平線を探せるようになると、みんなが注目している、機能している水平線を見つけられるようになります。
水平線とチャート足の関係とは?
次は水平線を探すときのチャートの足について説明しましょう。
ほとんどのチャートには1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足の表示機能はついていると思います。
水平線と時間足の特徴の一つに長い期間の足(上位の足)であるほど水平線が強く意識されやすいというものがあります。
逆に言うと、短い期間の足、1分足や5分足などは水平線を見つけてもすぐに破られたり、そもそも機能しないこともよくあります。
また短い足のチャートで水平線を引いていると、いくつも水平線が見つかり、どの水平線を意識すればいいのか分かりにくくなってしまいます。
なので、トレードスタイルによって異なりますが、例えばデイトレードであれば、日足や4時間足のチャートをまず見て水平線を探し大局をつかみ、その後1時間足や15分足のチャートで水平線を見つけるようにしましょう。
その際に、上位の足のラインが下位の足のチャートでも機能しているかもチェックするといいです。
水平線を使ってエントリーしよう
エントリーの仕方
では実際に水平線を使ったエントリーがどのようなものか例を3つ見ていきましょう。
1. まずはレジサポラインを意識した王道トレードから見てみましょう。
上昇局面でなかなか抜けることができないレジスタンスラインを抜けた後に戻ってくるのを待って、サポートラインとして同じ水平線が機能していることを確認してから買いでエントリーです。
この時にトレンドラインが重なっているようであれば、かなり優位性の高いエントリーポイントになります。
2. 次はレンジ相場で上のレジスタンスラインに近づいたら売りでエントリー、下のサポートラインに近づいたら買いでエントリーです。
簡単なようですが、綺麗なレンジ相場になることは少なく、一旦抜けてまた戻ってくる、いわゆるダマシの場合も多く難しいです。
3. 最後はレンジを抜けた後のレジサポラインを使って流れに乗るエントリーです。
レンジ相場において、サポートラインを下に抜けて戻ってくるのを待ちます。
戻ってきて同じラインがレジスタンスラインとして機能しているのを確認してから売りでエントリーです。
もちろんレンジを上に抜けた場合は買いで狙うことになります。
損切りも水平線を利用しよう
水平線を使ってエントリーするメリットとしては損切りを設定しやすいことです。
機能している水平線付近を損切りラインとして設定すれば、切られにくく、またラインに引きつけてエントリーすることで損切り幅も小さくできます。
エントリーする際には損切りの設定も考える必要があるのですが、この水平線を利用すると楽に損切りラインを決めることができるので初心者にはオススメです。