

〜今回の要点チェック!〜
- チャートを見るのはトレードの優位性を上げるため
- ローソク足1つ分の形からも相場を予想することができる
- 複数の時間足チャートを見るのは大切だが、どの時間軸のどの流れを狙うのかはっきりさせる
- トレンドラインと水平線をマスターするだけでも優位性の高いトレードができる
- 相場で売っている人と買っている人の心理を読むとチャートの動きが理解できる
目次
FXのチャートの種類と基礎を知ろう
最初のうちはチャートを見ても、そもそも何を意味しているのか、見て何を読み取ればいいのか分からないということもあると思います。
FX初心者はまずチャートを正しく読み取ることから始めて見ましょう。
チャートの裏にある大衆心理を読み取れるかどうかで、トレードの優位性がかなり上がります。
チャートとは常に変動している通貨のレートをグラフに表したものです。
代表的なものはローソク足チャート、ラインチャート、バーチャートの3種類です。
共通するのは全て横軸が時間、縦軸が為替レートを表すことです。
ここでは視覚的にも分かりやすいローソク足チャートについて詳しく説明していきます。


これまでにレートが上がっているのか、下がっているのか、しばらく動いていないのかなどがチャートからすぐに読み取れます。
そしてもう一つ重要なのが、チャートは「全てを語る」とも言われるように、単にこれまでの為替レートを示してくれるだけでなく、トレーダーの心理も現れます。
トレーダーの心理とは、「なんか下がってきたから持っているポジションを決済しておこう」、「この値を割ったら損切りをしよう」、「下げ止まったからここら辺で買っておこう」、「ここまで上がったら利益を確定しよう」というような心理です。
後で詳しく説明しますが、このような恐怖や焦りや期待など様々な心理、感情が隠されているのがチャートです。
これらの心理を読み取ることが、これからの値動きを推測するカギとなります。


こらからの相場を完全に当てることはできません。
超一流のプロトレーダーでもこれからの値動きが100%分かっている訳ではありません。
分かっているのは、「この場合は上がる確率が高い」、「この場合は下がる確率が高い」などの相場の優位性です。
FXで利益を上げるにはその優位性が分かるだけで十分なのです。
その優位性を教えてくれるのがチャートということになります。
FXにおいてはこのチャートの分析というものが欠かせません。
ローソク足の基本を理解しよう
ローソク足の形に似ていることからこの名前がついていますが、その形の意味を理解しておきましょう。
ローソク足1本分の時間は時間足で変わってきます。
チャート上で時間足を切り替えることができますが、主な足としては1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足などがあります。
例えば1時間足のチャートであればローソク1本分で1時間の値動きを表しているのです。
ローソク足の長さが長いほどその1時間で大きな動きがあったことを示しています。
ではローソク足の基本から説明しましょう。
例えば9時の1時間足をイメージしてみましょう。
9:00時点の値が始値(はじめね)です。
9:59時点の値が終値(おわりね)です。
始値よりも終値が高ければ陽線、始値よりも終値が安ければ陰線と呼びます。
高値、安値は9:00~9:59の間で一番高い値と一番安い値です。
またローソク足は実体とヒゲと呼ばれる部分に分かれます。
陽線は白や赤で表され、陰線は黒や青で表されることが多いですが、チャートによっては自分で色を変えたりすることもできます。
ローソク足の形から心理を読み取ろう

また例として9時の1時間足をイメージしてみましょう。
Aはヒゲと呼ばれる部分がなく実体のみですね。
始値と安値、終値と高値が同じだということです。
9:00~9:59の間ずっと上昇していたことを示しています。

またこの形の陰線は考え方が真逆になります。
Bは9:00から上昇したものの反転下落し、9:59の時点では9:00の値よりも下回ってしまったことを示しています。

Cは9:00から上下に動いたものの結局は9:00とほぼ同じ値で9:59になったことを示しています。

DはBの逆で9:00から下落したものの反転上昇して9:00よりも少し高い値で9:59になったことを示しています。

この他にも特徴的なローソク足の形はありますが、上で説明したローソク足の形と意味が分かれば対応できるでしょう。
このようなローソク足1本1本が集まってできたのがローソク足チャートです。
チャートの足とトレードスタイル
チャートのどの時間の足を見るのかはトレードスタイルによって変わります。
1日何十回もエントリーするようなスキャルピングは1分足〜15分足。
1日数回のトレードでその日のうちに決済するデイトレードは15分足〜日足。
長期に渡ってポジションを保有するスイングトレードは日足〜月足。

スイングトレードの人でもエントリーする時は1時間足を見るということもあるでしょう。
とのくらいのエントリー回数でどのくらいの利益を1回のエントリーで狙うのかを決めると自然と見るべき時間足というものが分かってくるでしょう。
複数の足を見るのは相場環境を理解する上でも重要ですが、注意点としてはどの時間足の流れを基本にして狙うのかをはっきりさせることです。
例えば下のチャートは左が日足チャート、右が1時間足チャートですが、見る限りトレンドが反対ですね。


チャートに線を引いてみよう
ローソク足の基本が分かれば今度はチャートを見ながら線を引いてみましょう。
トレンドライン(射線)と水平線の2種類を意識します。
トレンドライン
まずはトレンドラインですが、上昇局面では安値に注目して線を結んでいきます。
このトレンドラインがサポートライン(支持線)となりレートがラインまで下がれば反発する可能性があります。
ただ見てもらっても分かるように、トレンドラインはいつかは破られます。
またどこの安値に注目するかで複数のラインを引くことができる場合もあります。
例のように次第にラインの傾斜が緩やかになる場合は、上昇トレンドの力がなくなってきたことも意味しています。

反対に下降局面では高値に注目して線を結んでいきます。
このトレンドラインがレジスタンスライン(抵抗線)として機能し、ラインまでレートが上昇すると抑える働きをします。

水平線
次に水平線にも注目しましょう。
下のチャートは先ほどの下降トレンドラインで用いたチャートと同じものです。
水平線を意識すると2つ引くことができました。
AとBで上値を抑える抵抗線として機能しています。
そして同じラインをそれぞれ過去に遡ると多少ズレてはいますが、ラインとして機能していたことが分かります。

以上がトレンドラインと水平線の基本中の基本です。
これを知っているだけでも、もしトレンドラインと水平線が混じり合う箇所を見つけることができれば非常に優位性が高いエントリーができます。
先ほどのトレンドラインと水平線を合わせてみました。
赤丸で売りエントリーができればかなり優位性が高いですね。
このようなエントリーポイントをどんどんチャート上で見つけていきましょう。
チャートに隠された心理を読み取ろう
少しずつローソク足チャートの見方が分かってきたでしょうか。
チャートを見ても自分が何を知ろうとしているのかが分からなければただの記号となってしまいます。
チャートを見て確認したいことはなんでしょうか。
チャートから確認したいこと
- トレンド(流れ)が出ているか
- トレンドがなくレンジ相場(上下に行ったり来たり)か
- エントリーポイントはどこか
- 利益確定ポイントはどこか
- 損切りポイントはどこか
チャートを見る理由はとてもシンプルです。
それは損失を少なくして利益を大きく出すためです。
どこで入ってどこで出れば利益を出せる確率が高くなるのかを常に考えましょう。
初心者はまずトレンドに乗ることから考えると良いです。

そのためにはまずトレンドが出ているのかをチャートから読み取る必要があります。
もし、トレンドがなくレンジ相場だった場合は作戦が違ってきます。
レンジ相場で利益を出すこともできますが、難易度が高いこともあり、初心者のうちはレンジ相場を諦めてトレンドのみを狙った方がいいです。
トレンド発生を確認したら、チャート心理を読み取ってエントリーポイントや利益確定ライン、損失確定ラインを決めていくことになります。
例としてチャートを用意しました。
Aの期間ではレンジ相場となっています。
ちなみにA以前はチャートが切れていますが、上昇相場でした。
Bの所でそれまでのレンジを下に抜ける動きとなりました。
ここでは次のような人たちがいます。
- Aやそれ以前で買っていたが下がってきたので、慌ててポジションを決済する(売る)人
- Aの期間で反転下落を狙って売った人(そのままポジションを保有)
- レンジを抜けたのを見て新規で売りエントリーする人

Cの地点では下落の流れが一旦止まりました。
ここでは次のような人たちがいます。
- 売っていた場合、利益確定の決済(買い)をする人
- 反転上昇することを狙って買う人
- 下落の流れに乗り遅れてしまい売り場を狙っている人

Dが売りのエントリーポイントです。
下落後の戻り(上昇)が出て一旦止まっている所です。
- 戻り(上昇)が止まっているということは反転を狙って買う人も少なくなります。
- また下落に乗り遅れた人たちにとっては絶好の売りポイントになります。
Dで売りエントリーして損失確定ラインは少し前で戻りがあったライン、利益確定ラインは直近安値のラインに設定するとリスクリワード のバランスも取れたいいエントリーとなります。

このようにローソク足チャートには様々な心理が隠されています。
このような心理を考えることで、ローソク足の動きをつかむことができ、トレードの戦略を立てることができると言ってもいいでしょう。
今回はチャートを読む手助けとなるインジケーターとして水平線とトレンドラインしか触れていませんが、トレーダーの心理と合わせて考えることができれば、それだけでも利益を出すことは可能です。
まずはローソク足チャート、トレンドライン、水平線をしっかりとマスターして優位性の高いトレードを目指しましょう。