

〜今回の要点チェック!〜
- リスク分散には利益が分散されてしまうというデメリットもあるが、資金が増えた時には特に重要になる
- 株式などの他の金融商品とリスク分散すると相場との関連性もあるので、知識が増してトレードに優位に働くメリットがある
- 複数の通貨ペアを取引してリスク分散する場合は、相関性があるのか逆相関性があるのかをしっかりと理解しておく
- 複数口座で取引するメリットはシステムリスクや倒産リスクなどその他のリスクの回避にもなる
- 初心者の場合のリスク分散とは資金を段階的に投入して、最初は少額で始めること
目次
リスク分散の基本とは
リスク分散でよく例えられるものとしてかごの中の卵があります。
一つのかごの中に全ての卵を入れていた場合はかごを落としてしまった時に全ての卵が割れてしまうことになりますね。
一方でいくつかのかごに分けて入れていた場合は一つのかごを落としてしまったとしても残りのかごの卵は大丈夫です。
リスク分散の基本がこの卵とかごの関係にあるのですが、もちろんメリットとしてはリスクが発生した時に損失が限定されることです。


分散して投資をするということは、そのうちのどれか一つで大きく利益を上げた時にはその利益も分散されてしまうことになります。
1つに集中して資金を注いだ方が大きく利益を伸ばせることもありますよね。
FXはレバレッジも利用できることもあり、大きな資金を狙っているトレーダーも多いことからリスク分散せずに最大利益を狙って取引する場合も多いです。
ただ、レバレッジを使って短時間で資金を増やせる一方で、短時間で資金を失ってしまう可能性もあります。

他の金融商品とポートフォリオを組む
資金が豊富にある場合は、他の金融商品とポートフォリを組むのがまずは基本的なリスク分散になります。

他にも様々な金融商品が世の中にはありますが、これらの金融商品は為替との結びつきも強いです。
例えば日経平均株価が上がると米ドル円が上昇しやすいなど株式については通貨ペアによっては密接に関係している場合もあります。
つまり、株式も理解できるようになると、特定の通貨ペアの動きも分かるようになりますし、その逆も然りです。
それぞれの知識が身についてより優位性の高いトレードにつながることも考えられるので、他の金融商品とポートフォリオを組むときはFXと関連性がある株式など上にあげた金融商品を考慮するのがおすすめです。
デメリットとしては経験がない場合は、一度に複数の金融商品を扱うのはスキルや知識を身につけるのが大変になることです。
すでに知識やスキルが備わっている金融商品を基本にポートフォリオを組むようにしましょう。
複数通貨ペアによるポートフォリオ
ここまでは他の金融商品とのリスク分散でしたが、ここからはFX単体でのリスク分散について考えてみましょう。
株式で複数銘柄を購入してリスク分散するのと同じように、FXにおいては通貨ペアを複数扱うことでリスク分散することもできます。
複数ペアを扱ってリスク分散する際のポイントとしては、通貨ペア間に相関関係があるのか逆相関関係があるのかを知っておくことです。
もちろん、(逆)相関関係はその時の相場環境によって崩れる場合もよくあるので注意しましょう。

クロス円の中でもユーロ円とポンド円や豪ドル円とNZドル円などは相関関係が強いですね。
特に最近ではリスクオフの際は有事の円買いとも言われるように、クロス円は軒並み下落する傾向があります。
つまり下落相場では特に相関関係が強いと言えますね。

上が米ドル円の1時間足チャートで、下がユーロ米ドルの1時間足チャートです。
このチャートを見ても分かるように、米ドル円が上がれば、ユーロ米ドルが下がるというような逆相関関係にあります。
このような特徴を知った上での狙い方がいくらかあります。
まずは相関関係の通貨ペアを取引するなら「買い」と「売り」を組み合わせ、逆相関関係の通貨ペアを取引するなら両方とも「買い」か両方とも「売り」にする方法です。

一方で利益が出れば、もう一方は損失を出してしまう可能性がとても高いです。
リスクヘッジにはなりますが、資金の使い方が非効率になってしまい、大きく稼げない原因にもなります。
リスク分散もしながら大きくも狙いたい場合は、相関性の高い複数の通貨ペアで同方向を狙って取引したり、逆相関の通貨ペアをそれぞれ別方向を狙って取引する方法もあります。
共倒れしてしまう可能性はありますが、うまく行けば資金効率は良くなります。
また相関性に関係なくトレードチャンスになっている通貨ペアを複数見つけてトレードする方法もあります。
トレードスタイルで資金を分散する
先ほどの複数通貨ペアのポートフィリオとも似ているのですが、トレードスタイルを使い分けてリスク分散させる方法もあります。
例えば、スワップポイントを狙った取引で半分の資金を使って、残りの資金でスキャルピングをするというような場合です。
スワップポイントを狙ったポジショントレードがたとえうまく行かなかったとしてもこの場合損失は半分で済みますね。
ただ、資金が半分になるとスワップポイントも半分になるので、豊富な資金がないと大きく稼ぐことは難しいですね。
また複数のトレードスタイルを扱うのはかなりのトレードスキルと知識を身につけなくてはなりません。
このようなデメリットがあることも知っておきましょう。
複数口座で資金を分散する
誰でも簡単にできるリスク分散方法として複数口座で取引する方法があります。


資金を分けて複数口座で運用するメリットとしては、1回のトレードの取引数量を抑えることができるので、資金が増えた場合の精神的プレッシャーがいくらか軽減されます。
またシステム上のトラブルなどが発生してトレードできなくなったりする場合においても複数口座を所有することはリスク分散になりますね。
例えば、50万通貨の取引をする場合でも、A社で20万通貨、B社で30万通貨と分けてトレードすることで、会社のシステムリスクや倒産リスクにも対応できます。
資金効率の点においても同じエントリーポイントで入るのであれば、一度に50万通貨のトレードをした場合と変りません。
どのリスク分散の方法が一番いいのか


もし株式の知識も豊富で実際に利益を出すことができるのであれば、理想的なリスク分散になります。
特に資金が大きい場合はFXと他の金融商品を組み合わせて、FXのみに多くの資金を使わないことも大切なポイントです。
資金がそれほど多くない場合はFXの範囲内でリスク分散を考えた方が資金効率の点では良いです。
例えばスイングトレードとスキャルピングが両方とも得意ということであれば、このような組み合わせもいいと思います。
ただ複数のスキルや知識を身につけるのは容易なことではありません。
複数の通貨ペアでリスク分散をしたり、複数の口座を開設して取引したりするのは、手軽にできるリスク分散方法です。

初心者の場合のリスク分散とは
ここまでリスク分散について説明してきましたが、安定してFXで利益を出せるようになり、それなりの資金を入れて取引する場合のリスク分散について主に話してきました。


初心者の一番のリスク分散は資金を段階的に投入してトレードすることです。
まずは少額でトレードを始め、トレードスキルや必要な知識を身につけて勝てるようになることを最優先させるべきです。
そのためにまずは失ってもいいくらいの少額でトレードを始めましょう。
例えば、数十万円の余剰資金があったとしても最初は1,000円程度でトレード練習を始めることをおすすめします。
トレードスキルや知識が身につき勝てるようになってきたら、少しずつ資金を増やしてトレードしていくのが良いです。
そして、本格的に資金を入れるのは月単位で安定して利益が出せるようになってからの方が賢明です。
