

〜今回の要点チェック!〜
- 高レバレッジの場合は、ロスカットまでの値幅が小さく、また1pipsあたりの損失額も大きくなるので損失リスクが高い
- 低レバレッジの場合は、ロスカットまでの値幅は大きいが、実際にロスカットになった場合は高レバレッジの場合よりも損失が大きくなる
- 損失リスクを抑えるには低レバレッジで損切りを必ず設定すること
- レバレッジよりも、安定して利益を出すことができるかどうかが重要
目次
高レバレッジによる損失リスク
レバレッジを上げすぎると危険だということはよく言われていますし、このサイトにおいても特に初心者はレバレッジを10倍以下にしましょうと伝えてきました。
レバレッジの基本や計算方法については下記の記事を参考にして下さい。

レバレッジは資金における必要証拠金の割合で決まり、必要証拠金の割合が高く余剰金が少ないほどレバレッジが上がりましたね。
レバレッジを調節する考え方としては資金を一定にして通貨量(取引数量)を調節する考え方と、通貨量(取引数量)を一定にして余剰金を調節する考え方があります。
資金を一定にした場合
例えば資金を100万円と決めてレバレッジを調節したい場合を考えてみましょう。
通貨量(取引数量)を20万(ドル)通貨にした場合と10万(ドル)通貨にした場合のレバレッジを確認してみましょう。(1ドル100円の時)
この場合、20万ドル通貨なら1円の変動で20万円の損益、10万ドル通貨なら同じ値幅で10万円の損益なので、レバレッジを上げるとハイリスクハイリターンとなって資金を失うリスクは高まります。
また余剰金に注目してもレバレッジを上げると余剰金が少なくなりロスカットまでの値幅が小さくなりますね。
このような点で高レバレッジは損失リスクが高いと言えます。


通貨量(取引数量)を一定にした場合
次は通貨量(取引数量)を10万ドル通貨に固定してレバレッジを変更する場合を考えてみます。
同じ10万(ドル)通貨の取引でも資金が少ないと余剰金が少なくなり、レバレッジが上がります。
この場合はどちらのレバレッジでも同じ10万(ドル)通貨の取引なので、1円の変動で10万円というのは変わりませんね。
ただ、先ほどと同じようにレバレッジが高いと余剰金が少なくなるので、ロスカットまでの値幅は小さくなります。
つまりこの場合も高レバレッジはやはりリスクが高いと言えます。
このように基本的に、高レバレッジが危険だと言われる理由は、ロスカットラインまでの値幅が小さかったり、ポジションが大きくなることで1pipsの損益が大きくなったりするからです。


低レバレッジによるリスクとは
それではここからは低レバレッジにもリスクがあることを説明していきますね。
先ほどのレバレッジの図を使って、実際にロスカットになった場合を考えてみましょう。
資金を一定にした場合
ロスカットラインが必要証拠金維持率80%だとすると赤枠で囲ってある部分がロスカットで失う資金になります。
もちろんロスカットまでの値幅は低レバレッジの方が広いのですが、実際にロスカットになるとレバレッジが高い方が、多くの資金を失ってしまいますね。
通貨量(取引数量)を一定にした場合
ロスカットラインが必要証拠金維持率80%だとすると赤枠で囲ってある部分がロスカットで失う資金になります。
通貨量(取引数量)が同じなので、1pipsあたりの損失額は両方とも同じになります。
この場合は余剰金を入金するほどレバレッジは下がるのですが、視点を変えればそれだけ失う資金も増えてしまうことになります。
証拠金維持率を上げるために余剰金が減っては追加入金しているようではいつの間にか多額の資金を失ってしまうパターンも多いです。
資金を固定するか、通貨量(取引数量)を固定するかの2通りの考え方がありますが、共通しているのはロスカットになることを前提に考えるとレバレッジが低い方がロスカット時により多くの資金を失ってしまいます。


どうすればリスクを減らすことができるの


では、リスクを抑えてFXを始めたい人に向けてポイントを説明していきますね。
資金額を決めたら簡単に追加入金しない
まずレバレッジの変更方法は、資金を一定にして通貨量(取引数量)を調節することでレバレッジを考えた方がよりリスクを減らすことができます。
通貨量(取引数量)を一定にして考えてしまうと損失が出た場合に追加入金してしまいがちです。
まだスキルが身についていないうちは追加入金しただけさらに損失が増えることになります。

この場合、資金が少ないと通貨量(取引数量)をそれ以上減らせない場合があります。
例えば最小取引単位が1万通貨の会社で資金5万円で始めようと思ったら、必要証拠金は4万円以上必要で、レバレッジはどうしても20倍程度になってしまいます。
通貨量(取引数量)を1万通貨以下に減らすことができないので、レバレッジも下げることはできません。
なので、初心者の場合は最小取引単位が小さい会社を選んで口座開設するのが良いです。
例えばマネーパートナーズなら最小取引単位が100通貨なので、ポジションサイズを細かく調節しやすいです。
仮に5万円の資金なら500ドル通貨でレバレッジ1倍からの取引も可能です。
正しい損切りをマスターする
そして低レバレッジで取引する時の最大のポイントが損切りです。
低レバレッジでリスクになるのはロスカットにかかった時です。
大きく損失が膨らんでしまう前の段階で損切りを設定して損失を限定することが損失リスクを回避する一番のポイントです。
正しく損切りをマスターして低レバレッジで取引すれば損失リスクをかなり減らせます。
損失リスクを本当に抑えたいなら

今回はレバレッジによるリスクの話でしたが、レバレッジ設定について色々考える以前の問題があります。
そもそも安定して利益を出すことができないのであれば、高レバレッジであろうと、低レバレッジであろうといずれは資金を失うリスクが高いです。
反対に、例えば月単位でほんの少しであっても構わないので安定して利益を出すことができるなら多少レバレッジを上げても大丈夫です。
もちろん日単位や週単位であればトレード結果がマイナスになってしまうこともあると思いますが、そのドローダウンに耐えられるだけの余剰金さえあれば、問題ありません。
月単位でプラスにすることができない場合はどれほど資金があってもいつかは資金を失ってしまいます。
厳しい言い方をすれば、レバレッジがどうであろうと勝つ人は勝つし、負ける人は負けるのです。
根本的なことですが、まずは月単位でプラスにして安定したトレードができるようになることが重要です。
もちろん始めてすぐに月単位でプラスにすることは難しいので、まずは失ってもいいくらいの少額でトレードの練習をしながらスキルを身につけていけばいいのです。
