

〜今回の要点チェック!〜
- レバレッジとは少ない資金でも最大25倍の大きな取引ができること
- レバレッジの設定の仕方はFX会社のレバレッジコースを選択する方法と、実効レバレッジを調節する方法がある
- 実効レバレッジ = 取引通貨量(円)÷ 資金
- 余剰金を増やすことによって実効レバレッジを下げることができる
- 初心者は実効レバレッジ10倍以下で始めるのがおすすめ
- まずは資金をどのくらい使えるか考えてから、取引通貨量を調節して実効レバレッジを設定する
- 初心者が練習としてトレードを始める場合は資金1,000円で100通貨がおすすめ
目次
レバレッジをわかりやすく説明
レバレッジとは「てこ」の意味です。
「てこの原理」を使って小さい力で大きな力を生み出すことができるのと同じように、FXにおいては少ない資金で何倍もの多くの取引量を可能にすることを意味しています。
日本では現在2019年時点でレバレッジは最大25倍となっています。
以前は日本でも、もっと高いレバレッジで取引できていたのですが、2010年にレバレッジ50倍まで、2011年にレバレッジ25倍までに下げられました。
最近ではレバレッジ10倍までに規制しようという議論も行われており、今後変更することも十分考えられます。
海外のFX会社を利用するとレバレッジはもっと高くなります。
200倍は当たり前で、中には1,000倍で取引できる会社もあります。


ここでは国内のレバレッジ25倍までを基本にして説明していきます。
レバレッジ25倍という言葉は知っていても、初心者のうちは自分がどのくらいのレバレッジで取引しているのか分かっていない場合も多いです。
リスク管理にもつながる重要なポイントなのでしっかりと理解しましょう。
レバレッジコースとは
ここからは主にレバレッジの設定の仕方を説明していきます。
レバレッジの設定の仕方は主に2つあります。
1. FX会社のレバレッジコースを利用してレバレッジを変更する
2. 取引通貨量と資金を調節して実効レバレッジを変更する
まずはFX会社のレバレッジコースを選択することで最大レバレッジを設定する方法です。
FX会社によっては最大25倍のみという場合もあれば、レバレレッジの上限を1倍、5倍、10倍などに設定できる場合もあります。
例えばSBI FXトレードの場合は以下のコースが用意されています。
SBI FXトレード レバレッジコース | |
ローレバレッジ1倍コース | 1倍までの取引が可能 |
ローレバレッジ3倍コース | 1~3倍までの取引が可能 |
ローレバレッジ5倍コース | 1~5倍までの取引が可能 |
スタンダードコース | 1~10倍までの取引が可能 |
ハイレバレッジ25コース | 1~25倍までの取引が可能 |


知らない間に高レバレッジで取引してしまうことはなくなるでしょう。
またレバレッジ1倍で設定すると外貨預金として口座を利用することもできますね。
そしてデメリットというほどではありませんが、このようなコースがなくても自分で実効レバレッジというものを変更することはできます。
実効レバレッジとは?計算方法を知ろう!

使っているFX会社でレバレッジコースの選択ができない場合は、レバレッジは最大の25倍に固定されることになり、設定項目などでレバレッジを5倍や10倍などに変更することはできません。


例えばドル円のレートが1ドル100円だとして1万ドル通貨の取引をするとします。
1万ドル通貨の取引には最低資金としての必要証拠金がいくらいるか分かりますか?
レバレッジ25倍固定なので、25分の1、つまり4%が必要証拠金です。
必要証拠金は以下の計算式で出すことができます。
レート × 取引通貨量 × 0.04 = 必要証拠金
1万ドル通貨を取引するためには、
100円 × 10,000ドル通貨 × 0.04 =4万円
4万円が必要証拠金となります。
ちなみに必要証拠金はそのお金を担保にしてレバレッジを使った取引をするという意味なので、最低でも必要証拠金100%を維持しなければ取引が成立しなくなります。
それでは実効レバレッジを変更していきます。
実効レバレッジの計算式は以下のようになります。
取引通貨量(円) ÷ 口座の資金(必要証拠金+余剰金)= 実効レバレッジ
必要証拠金4万円で余剰金0円で1万ドル通貨を取引した場合は
100万円÷4万円=25倍
実効レバレッジ25倍となります。
必要証拠金4万円に余剰金6万円を加えて1万ドル通貨を取引した場合は
100万円÷(4万円+6万円)=10倍
実効レバレッジ10倍に変わります。
必要証拠金4万円に余剰金16万円を加えて1万ドル通貨を取引した場合は
100万円÷(4万円+16万円)=5倍
実効レバレッジ5倍に変わります。
このように余剰金を増やすほどに実効レバレッジを下げることができます。
必要証拠金と余剰金を合わせて100万円になれば、実効レバレッジ1倍ということになります。
レバレッジと取引通貨量と資金の関係
実効レバレッジの仕組みが分かれば、実効レバレッジを調節したり、取引通貨量を調節したりすることで資金がどれくらい必要なのかが分かります。
次の表は取引通貨量と実効レバレッジを決めた時に資金がいくら必要なのかを表にしたものです。
1通貨 | 100通貨 | 1,000通貨 | 1万通貨 | 10万通貨 | |
1倍 | 100円 | 1万円 | 10万円 | 100万円 | 1,000万円 |
2倍 | 50円 | 5,000円 | 5万円 | 50万円 | 500万円 |
5倍 | 20円 | 2,000円 | 2万円 | 20万円 | 200万円 |
10倍 | 10円 | 1,000円 | 1万円 | 10万円 | 100万円 |
20倍 | 5円 | 500円 | 5,000円 | 5万円 | 50万円 |
25倍 | 4円 | 400円 | 4,000円 | 4万円 | 40万円 |
※1ドル=100円として米ドル円の場合
取引通貨量については各FX会社で最低取引単位が決められているので、確認するようにしましょう。
1万通貨単位となっている場合は、それよりも少ない通貨量での取引はできません。
トレードをシミュレーションする際にそれぞれの数字を確認したいときは以下の計算式を使って下さい。
実効レバレッジ = 取引通貨量(円) ÷ 資金
取引通貨量(円)= 実効レバレッジ × 資金
資金 = 取引通貨量(円)÷ 実効レバレッジ
レバレッジ取引のシミュレーション
それではもう少し具体的に様々なレバレッジを使った取引をシミュレーションしてみましょう。
資金を10万円としますが、資金1万円を予定している場合は1つ0を減らして、資金100万円を予定している場合は0を1つ加えてイメージしてみましょう。
ここでは必要証拠金を一定額にしてわかりやすくしています。
レートの変動により必要証拠金が増減するので実際の数字とは少しズレています。
設定
資金: 10万円
通貨: ドル円
レート: 1ドル=110円
取引量: 2万ドル通貨
実効レバレッジは、取引量(円)÷ 資金なので
110円 × 2万(ドル)通貨 ÷ 10万円 = 22倍
となりますね。
エントリーしてポジションを持つと、必要証拠金が88,000円、余剰金が12,000円となります。
必要証拠金は100%を維持しないと追証(追加入金)が必要になります。
またFX会社が決めている証拠金維持率ラインを割るとロスカットが執行されたりするので、最低でも100%必要です。
つまり余剰金の12,000円分の損失までは耐えることができます。
2万通貨の場合は1pips(銭)あたり200円の損益になるので、約60pips分の損失までは耐えることができます。
損切り10pips、利益50pipsで6回トレードをしたとします。
1勝5敗以上の成績を出せればプラスマイナス0以上となりますね。
これは簡単なようで実際にしてみると難しいことがわかるでしょう。
余剰金が少なく、すぐになくなってしまう可能性もあるためリスクが高いレバレッジだと言えるでしょう。
プロトレーダーならこのレバレッジでも大丈夫ですが、初心者にはリスクが高いです。
同じ設定で取引量が1万(ドル)通貨のときはどうでしょうか。
設定
資金: 10万円
通貨: ドル円
レート: 1ドル=110円
取引量: 1万ドル通貨
実効レバレッジは、
110円 × 1万(ドル)通貨 ÷ 10万円 = 11倍倍
になります。
エントリーしてポジションを持つと、必要証拠金が44,000円、余剰金が56,000円となります。
取引通貨量が半分になったので、余剰金がさっきに比べて大分増えましたね。
1万通貨の場合は1pipsあたり100円の損益になるので、約560pips(5円60銭)分の損失まで耐えることができます。
損切りを10pipsで設定してエントリーすれば、56回以上連続で負けるまでは証拠金維持率100%以上をキープできます。
先ほどの2万ドル通貨の時と比べると、取引通貨量が減るため1pipsあたりの損益が小さくなります。
また必要証拠金が少なくて済むため余剰金の割合が増え、余裕を持ったトレードができます。
リターンももちろん減りますが、損失リスクを減らすことができます。
初心者はどれくらいの実効レバレッジで取引すればいい?


先ほどの実効レバレッジ11倍のシミュレーションが近いイメージです。
実効レバレッジを考える時には2通りの考え方があります。
実効レバレッジ設定の考え方
1. 使える資金の額を決めて取引通貨量を調節する
2. 取引通貨量を決めて余剰金を調節する
1の場合は、取引通貨量を減らし必要証拠金を少なくして余剰金の割合を上げることで実効レバレッジを下げることができます。
取引通貨量が減るので、損失リスクを減らせますが、利益も少なくなります。
2の場合は、取引通貨量を一定にするので、必要証拠金は変わらず余剰金を増やすことで実効レバレッジを下げることができます。
ただし、実効レバレッジを下げようとすると資金が追加で必要になりますし、1pipsあたりの損益も変わらないこともあり、損失リスクが減った訳ではありません。

最初はどのくらいの資金を使えばいいの?


最低取引単位が1通貨からという会社もあるので、実効レバレッジ10倍程度でも資金は10円あれば取引できます。
少しでも資金を失いたくない場合は利用すると良いです。

SBI FXトレード
まずは業界トップクラスの低スプレッドが魅力です。そして何よりも他社と差別化しているのが1通貨からの取引が可能だということです。本格的に始めたい人はもちろん、トレード練習用としても使うことができます。そして、SBIグループということもあり、リスクにどれくらい対応できるかを示す自己資本規制比率が業界トップクラスで安心できる会社と言えるでしょう。
SBI FXトレード 基本情報 | |||
取引単位 | 通貨ペア数 | ||
1通貨 | 26 | ||
スプレッド(原則固定)※例外あり | |||
米ドル/円 | ユーロ/米ドル | ユーロ/円 | 英ポンド/円 |
0.27 pips | 0.48 pips | 0.39 pips | 0.89 pips |
※スプレッドは取引数量により変化
ただ極端に取引量が少ないので、トレードもゲーム感覚で適当になってしまいがちです。
緊張感を持って、精神的プレッシャーもある程度体感しながらトレードをすると身につくものも多いです。
練習として1番のおすすめは1,000円の資金で100通貨から始めることです。この場合の実効レバレッジは1ドル110円なら11倍となります。
必要証拠金が440円で、残りの560円が余剰金です。
560pipsのマイナスが出るまでは証拠金維持率100%をキープできます。
たとえ資金を失ったとしても1,000円です。
リアルに資金を投入して、緊張感を持ってトレードしたい、かつなるべく資金を失うリスクを減らしたいという2つのバランスが取れた設定だと思います。

マネーパートナーズ
ストロングポイントとしては約定力がNo.1ということです。矢野経済研究所が行なっている調査において8年連続で約定力No.1という評価を受けています。スプレッドも主要通貨についてはGMOクリック証券やDMM FXを上回る水準もあります。またパートナーズFX nanoを利用すると取引単位が100通貨からとなり、初心者がトレードを練習するのにも向いています。
マネーパートナーズ 基本情報 | |||
取引単位 | 通貨ペア数 | ||
10,000通貨(100通貨) | 20(18) | ||
スプレッド(原則固定)※例外あり | |||
米ドル/円 | ユーロ/米ドル | ユーロ/円 | 英ポンド/円 |
0.3 pips (0.4 pips) |
0.3 pips (0.8 pips) |
0.4 pips (0.7 pips) |
0.9 pips (1.2 pips) |
※( )の値はパートナーズFX nano
練習の段階を終えて、ある程度トレードスキルが身について資金を増やしていこうとするならば取引通貨量は1万通貨以上は最低必要です。
1万通貨を実効レバレッジ10倍で取引するならば10万円は必要です。

GMOクリック証券 [FXネオ]
何よりもまず、8年連続取引高国内1位「ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)」実績があります。あらゆる角度から見てもスキのないオールラウンダーの会社です。スマホツールの使いやすさやについては、No.1と言ってもいいでしょう。サポート体制もしっかりしており、お問い合わせに24時間対応しています。「迷ったらココ」と言われるほど信頼性のある会社です。初心者からプロトレーダーまで満足度の高い会社です。
GMOクリック証券[FXネオ] 基本情報 | |||
取引単位 | 通貨ペア数 | ||
10,000通貨 | 20 | ||
スプレッド(原則固定)※例外あり | |||
米ドル/円 | ユーロ/米ドル | ユーロ/円 | 英ポンド/円 |
0.2 銭 | 0.4 pips | 0.5 銭 | 1.0 銭 |
初心者でも練習として始めるか、本格的に始めるのかで資金も変わってきます。
いきなり多くの資金を投入することのないようにしましょう。
こちらも参考にしてください。