

今回の要点チェック!
- 信用リスクとは債務を履行できなくなるリスク、つまり債務不履行(デフォルト)リスクのこと
- 国内FX会社は信託保全(顧客の資金を銀行に信託すること)が義務付けられている
- 自己資本規制比率の高さは経営状況が良く、リスクに対応できることを表す
- FXにおいては信用リスクはほとんどないと考えても大丈夫
- FX会社の取引額や口座開設数などその他の点にも注目して信頼性を考えることが重要

目次
「信用リスク」ってどういう意味?
例えば株の場合は?

信用リスクとは、広い定義で使われる言葉です。
端的に言えば、債務者が債務を履行できなくなるリスクです。
難しくて何を言っているのか分かりませんよね。
身近な例で説明すると、やはり株でしょうか。
例えば、ある企業の株をまなぶ君が買うとします。
企業は、まなぶ君からお金を出資してもらい(借りて)、その代わりにまなぶ君に対して株式を発行し、配当を行いますよね。
この場合は、債権者がまなぶ君で債務者が企業ということです。
もし、企業の財政状況が悪化し、業績不振などで倒産した場合、株は紙切れ同然になり、配当を行うことができなくなる場合もありますよね。
これが債務を履行できなくなる場合の一例です。
このようなリスクのことを信用リスクと言います。
債務不履行といい、英語ではデフォルトですね。
このデフォルトという言葉はニュースでも聞いたことがあるのではないでしょうか。
これで最初の難しい言葉の意味がわかったでしょうか。
FXの信用リスクとは?


FXの場合はまなぶ君がFX会社に証拠金を預けますよね。
もしそのFX会社が業績不振で倒産した場合はどうなるでしょうか。
預けている証拠金は、または稼いだお金は戻ってくるのでしょうか。
この場合、もし全額戻ってくると保証されているなら信用リスクはありませんが、保証されていない場合は信用リスクとなります。
まとめると、会社が倒産した時に損失を被る可能性があることを信用リスクと呼びます。
「信託保全」を理解しよう


ポイントは「信託保全」というシステムにあります。
この「信託保全」とは顧客から預かっている資金を信託銀行に信託する(管理してもらう)ことを意味しています。
例としてDMM FXの信託保全スキームを見てみましょう。
(例)DMM FX 信託保全スキーム
通常時
破綻時
図でも分かる通り、信託保全とは万が一FX会社が倒産した場合でも、顧客から預かっている資金を返金できるようにするためのシステムです。
2010年に国内FX会社は顧客のすべての資金を、信託保全するように国から義務付けられました。
それまでは顧客の資金を一部だけ信託保全したり、会社内で自己資金と別管理をするなど、FX会社により管理方法は様々でしたが、今では制度として完全信託保全が定められているので、その点では心配ないでしょう。






例えば、少し昔の話ですが、完全信託保全が義務付けられた後でさえも、あるFX会社が破綻して証拠金が返金となった時、信託保全されているはずの顧客の資金が足りないということが起きました。
理由は一部を運転資金に使っていたということですが、そもそも管理体制がしっかりとなされていないと、システム自体が機能しませんよね。
また、一部のFX会社のサイトには次のように明記されています。
「取引システム障害や天変地異、政変、外貨情勢の急変等の事由により、信託保全の金額が正しく算出できなかった場合などには、信託された金額が証拠金の総額に不足する場合があり、お客様の証拠金の一部が返還されない場合があります。」
顧客の資金は常に変動しているので、破綻時にレートが急変するような予想外の出来事があれば、顧客の資金も大きく変動するため、算出額と信託額のズレが生じることもあることを意味しています。
これらのことを含めると、信用リスクはほぼないのですが、リスクは0%ではないことを注意しておきましょう。
ポイント
- 信託保全とはFX会社が倒産時に顧客の資金を返金できるように銀行に管理してもらうこと
- 国の制度により、全てのFX会社に信託保全が義務付けられており、証拠金、評価損益、スワップ損益も合わせて算出される
- 信用リスクはほとんどないが、リスクゼロではないことに注意
「自己資本規制比率」を確認してみよう


ここで出てくるキーワードが「自己資本規制比率」です。
この自己資本規制比率はFX会社の経営状況を測る指標です。
簡単に説明すると自己資本(固定的資産を除く)÷ リスク相当額 × 100の計算式でこの値が高いほど、自己資本の率が高くリスクに対して対応できると言えるでしょう。
上で説明したように顧客の資金を運転資金にしてはいけないので、もともと自己資本力がある会社しか存在しないはずですが、その中でもこの値が高いのはどの会社でしょうか。
主要FX会社を見てみましょう。
FX会社 | 自己資本規制比率 |
SBI FXトレード | 1,222% |
FXプライム byGMO | 708% |
GMOクリック証券 | 449% |
マネーパートナーズ | 352% |
DMM FX | 269% |
外為ジャパンFX | 269% |
※2018年12月時点 各社ホームページより
金融商品取引法で、この比率を120%以上に保つことを義務付けています。
もし120%を下回ると、金融庁から業務改善命令を下されることになります。
そして更に下回り、100%を切ってしまうと、なんと3ヶ月の業務停止命令、または登録取り消し命令が下されます。
また、この値は年4回算出して、公開することになっています。
各会社のホームページで確認できるので、参考にしてみましょうね。
ポイント
- 自己資本規制比率とはFX会社の経営状況を測るもので、この率が高いほどリスクに対応できることを示している
信用リスクは日常にも存在している?
「信託保全」を理解し、「自己資本規制比率」を参考にしてFX会社を選べば、信用リスクはそこまで気にしなくても大丈夫だということが分かったと思います。
よく外貨預金とFXが比較されることもありますが、外貨預金の方が信用リスクが高いとも言えるでしょう。
銀行の場合は、破綻した場合の保証限度額は1,000万円までですよね。
FXは上限がないことを考えると、代わりにFXを外貨預金として用いるのもありですね。
ちなみに手数料の安さなど、その他にもたくさんのメリットがあります。
話が少しそれましたが、FXに限らず仮に銀行に1,000万円以上預金をしていればそれだけで信用リスクにさらされていることになるのです。


一つ勘違いして欲しくないのは、今回の話は証拠金が保証されているということではありません。
トレードにおいて為替差損が発生して、あっと言う前に証拠金が無くなってしまうということもあるでしょう。
決して元金が保証されている訳ではありません。
あくまでFX会社が破綻した場合の話です。
また信用リスクがゼロでもないことを頭に入れておきましょうね。
その他の信頼性の判断基準は?

信頼性のその他の判断基準としては、取引高であったり、口座開設数であったりするでしょう。
多くの人が選ぶということは、それだけの価値がその会社にあるということでしょうし、顧客が多いということは、倒産リスクも減りますよね。
またどれくらい情報開示をしているかということも信頼性につながるでしょう。
FX会社を選ぶときには、この信頼性というものも重要視して選んでみましょう。
最後に取引高が世界一のFX会社と、口座数国内トップのFX会社を紹介しますね。
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