

〜今回の要点チェック!〜
- ロスカットになる前に損切りを設定して損失をなるべく小さくすることが大切
- ロスカットラインは証拠金維持率をもとに設定され、SBI FXトレードは50%割れでロスカットが執行される
- SBI FXトレードはロスカットを「口座別」か「通貨別」かを選択できる
- 資金が多い場合は「口座別」の方がロスカットまで余裕がある
- 複数通貨ペアを扱う場合は「通貨別」にすることでリスク分散できる
- 証拠金維持率100%を割って取引終了時刻を迎えると追証が発生する
- 証拠金維持率は100%を割らないように注意し、初心者の目安としては250%以上を維持する
SBI FXトレードの基本情報をチェック!

SBI FXトレード
まずは業界トップクラスの低スプレッドが魅力です。そして何よりも他社と差別化しているのが1通貨からの取引が可能だということです。本格的に始めたい人はもちろん、トレード練習用としても使うことができます。そして、SBIグループということもあり、リスクにどれくらい対応できるかを示す自己資本規制比率が業界トップクラスで安心できる会社と言えるでしょう。
SBI FXトレード 基本情報 | |||
取引単位 | 通貨ペア数 | ||
1通貨 | 26 | ||
スプレッド(原則固定)※例外あり | |||
米ドル/円 | ユーロ/米ドル | ユーロ/円 | 英ポンド/円 |
0.27 pips | 0.48 pips | 0.39 pips | 0.89 pips |
※スプレッドは取引数量により変化

ロスカットは資金と取引量の関係が重要なので、取引量を適切に調整できるようにしましょう。
ロスカットとは
まずはロスカットのおさらいからしましょう。
ロスカットとは強制決済とも言われ、損失が出ている保有ポジションが強制的に決済されることです。
例えば、米ドル円を買ったとします。
思うようにレートが上がってくれたら良かったのですが、予想に反してどんどん下がってしまいました。
レートが下がり、評価損(含み損)がどんどん膨らんできました。各会社で決めているロスカットラインというものがあり、そのラインに到達すると損失確定のロスカットとなるのです。
ロスカットと聞くとマイナスのイメージしか浮かばない人もいると思いますが、損失を限定して資金を守るための最後の砦です。

ロスカットラインについて理解しよう


FX取引をする際にもちろん資金が必要になりますね。
ただし、例えば米ドル円を100万円分取引したい場合でも、100万円必要という訳ではありませんでしたね。


この取引量の4%の資金のことを必要証拠金といいます。
この必要証拠金の維持率がどのくらいかでロスカットラインを設定している会社が多いです。
証拠金維持率の計算式
証拠金維持率 = 資金 ÷ 必要証拠金 × 100
例えば100万円分の取引で、4万円の資金でトレードを始めた場合は必要証拠金=資金となり証拠金維持率はちょうど100%ですね。
FX会社の中にはロスカットラインを証拠金維持率100%に設定しているところもあるので、これではすぐにロスカットになってしまいますね。
証拠金維持率を上げるには、必要証拠金に加えて余剰金を入金するか、取引量を減らすことによって資金における必要証拠金の割合を下げるかのどちらかで調整しなくてはいけません。

SBI FXトレードのロスカットライン
SBI FXトレードのロスカットラインは証拠金維持率50%を下回った時にロスカットが執行されます。
SBI FXトレードのロスカットの特徴として、「口座全体」ロスカットと「通貨別」ロスカットを選択できます。
「口座全体」ロスカットはほとんどのFX会社で採用されているロスカット方式です。
計算式は先ほど説明しましたね。
SBI FXトレードの場合は、口座全体の資金が必要証拠金の半分以下になると保有している全ポジションにロスカットが執行されます。
「通貨別」ロスカットの場合は各通貨ペアごとにロスカットが執行されます。
証拠金維持率の計算式(通貨ペアごと)
証拠金維持率(通貨ペアごと)=(必要証拠金-評価損)÷ 必要証拠金 × 100
この通貨ペアごとの証拠金維持率が50%を割ると該当通貨ペアのポジションがロスカットされます。


設定
通貨ペア: 米ドル円
レート: 100円
資金: 1,000円
取引量: 100通貨
必要証拠金: 400円
ここでは必要証拠金を一定額にしてわかりやすくしています。
レートの変動により必要証拠金が増減するので実際の数字とは少しズレています。
1ドル100円で買いのポジションを持った場合で考えて見ましょう。
「口座全体」ロスカットの場合
エントリー直後の「口座全体」の場合の証拠金維持率は、
1,000 ÷ 400 × 100 = 250%
1円の値動きで100円の損益なのでレートが98円まで下がった場合は200円の評価損となり、
(1,000 - 200) ÷ 400 × 100 = 200%
ロスカットまではまだ余裕があります。
「通貨別」ロスカットの場合
エントリー直後の「通貨別」の場合の通貨ペア証拠金維持率は、
400 ÷ 400 × 100 = 100%
レートが98円まで下がった場合は先ほどと同じく200円の評価損なので、
(400 - 200) ÷ 400 × 100 = 50%
この場合はロスカットが執行されます。
このようにロスカットの設定を「口座全体」か「通貨別」を選択することで、同じ値動きでもロスカットラインに違いが出ます。
必要証拠金に加えて余剰金があるほど、「口座全体」の場合はロスカットラインまで余裕を持つことができます。
「通貨別」の場合は余剰金は関係なくなるので、余剰金が多くても少なくても一定の値動きがあればロスカットとなります。


ただ「通貨別」にするメリットもあります。
ロスカットまで余裕があるということはロスカットが執行された場合はより多くの損失を出してしまいます。
ロスカットまでの余裕が少ない場合はその逆で、早い段階で損失を確定できるとも言えます。
また、ロスカットの注意事項としては、必要証拠金が50%以上は守られることを保証するものではありません。
何か有事が起きてレートが急騰急落するような場合はレートが飛ぶ「値飛び」も生じる可能性があります。
ロスカットラインを超えてはるか先でロスカットが執行され、預けた証拠金以上の損失が出ることも可能性としてはあります。
レートが飛んでしまうようなことは、まれな場合ですが、複数の通貨ペアのポジションを持っている場合は「通貨別ロスカット」を選択していると、そのリスクが分散されます。

証拠金規制について理解しよう


ロスカットと合わせて理解しておく必要があるのが、証拠金規制の仕組みです。
証拠金規制は追証(追加証拠金)に関係してくる話です。
金融商品取引業等に関する内閣府令の「FX証拠金規制」により、FXの取引をする際には最低でも必要証拠金を入金することが義務付けられています。
つまり証拠金維持率は実は常に100%を維持しておかなくてはいけないのです。
毎営業日の取引終了時刻5:30(冬時間6:30)の時点で証拠金維持率が100%を割ると、証拠金の不足分を期限までに解消しなければ、全ポジションが強制決済されます。
まずは期限ですが、不足金が発生してから1日後にあたる翌営業日の取引終了30分前までです。
対応としては不足金を入金するか、保有ポジションを一部決済して必要証拠金維持率が100%になるように調整しなくてはいけません。
ロスカットが執行される前にこのシステムが機能するので、大抵の値動きの場合においては証拠金維持率50%でロスカットが執行されることはまれです。
つまりロスカットが執行される場合は追証の対応をする前にレートが急落するような場合です。
実際のレートをもとにイメージしてみましょう。
設定
資金: 5万円
通貨: 米ドル円
レート: 100円
取引量: 1万通貨
必要証拠金:4万円
レートが100円の時に1万通貨の買いのポジションを持った場合の証拠金維持率は、
5万円 ÷ 4万円 × 100 = 125%
レートが99円まで下がると評価損が1万円となり、証拠金維持率は、
(5万円 - 1万円) ÷ 4万円 × 100 = 100%
これよりレートが下がると証拠金制度により、追証が発生することとなります。
そして追証の対応をする前にレートがさらに97円まで下がると評価損が3万円となり、証拠金維持率は、
(5万円 - 3万円) ÷ 4万円 × 100 = 50%
ここまで下がってしまうとロスカットになります。
1日で追証→ロスカットとなる場合は、レバレッジにもよりますが、1日で3円以上の値動きがあるような場合です。
大抵は1日で3円以上動くことはまれなので、ロスカットラインに至るまでに追証の期限が来る場合が圧倒的に多いのです。




例えば、証拠金維持率が100%になるくらいの追加入金であれば再び追証が発生する可能性も高いです。
また、相場が回復すればいいですが、相場が下がる度に追加入金をしているとそれだけ多くの資金を損失してしまうリスクも高まります。
やはり追証になる前に損切りを徹底しておくことが大前提となるでしょう。