

〜今回の要点チェック!〜
- ポジポジ病とは常にポジションを保有したり、無駄な取引回数が多くなること
- ポジポジ病になるとプロスペクト理論やスプレッドによって取引回数が増えた分だけ損失が膨らむ
- スキャルピングやデイトレードはポジポジ病になりやすい
- 克服するにはチャート検証を徹底し、確率に基づいたトレードを行う
ポジポジ病とは
ポジポジ病とは、買いまたは売りの建玉=ポジションを保有することから来るものです。
常にポジションを持っている状態や安易な取引回数が多いことを意味します。
自分ではトレード回数を減らそうと思っていながらも結局は根拠のないトレードを繰り返してしまいます。
例えば、チャートが上昇すると思って買いでエントリーした瞬間に相場が反転し、あわてて今度は売りでエントリーしたり、レートが再上昇したらもう一度買いでエントリーしたりするような場合は、相場に翻弄されてポジポジ病になっているかもしれません。

ポジポジ病になるとどうなるのか
FXは通貨を売買することで、利益を狙うのですが、取引回数が多いほど利益が増える訳ではありません。
とくに勘に頼ったトレードは感情も入ってしまうため、FXは売るか買うかの2択のはずですが、損失が膨らんでいくことの方が多いです。


簡潔に説明すると人間の感情に任せてトレードをしていると損失は大きく、利益は少なくなる傾向があるのです。
例えばトレード初心者の場合は、損切りができない傾向があります。
大切な資金を失いたくないという感情が原因の一つですが、損切りをしないと、相場が思惑と逆方向にいった場合、含み損を抱えることになります。
含み損とはまだ決済されていないので相場が戻れば小さくなったり、含み益に転じたりもします。
感情に任せてトレードをしていると、なかなか損切りができずについつい含み損が大きくなり、最終的には大きな損失を出してしまいます。
もし相場が転じて含み損が含み益に変わった場合はどうでしょうか。
それまで含み損が膨らんでいく精神的プレッシャーを抱えていたので、すこしの含み益で決済して逃げようとします。
最初に説明したように損失は大きく、利益は小さくなってしまうのです。
このような感情に任せたトレードでは回数を増やすほど損失も大きくなってしまいます。

例えばスプレッド0.3pipsの通貨ペアを1日10回取引したとします。
1ヶ月では0.3pips×10回×20日=60pipsの損失となります。
取引コストは取引数量によって変わりますが、1万通貨なら6,000円、10万通貨なら6万円の取引コストです。
1ヶ月に100pipsでも安定して取れれば、十分投資として成り立ちますが、この場合は60pips分マイナスからのスタートになるのです。
もし1日に20回トレードしているのであれば、単純に取引コストは倍になります。

トレードスタイルとの関係
ポジポジ病になりやすいのはトレードスタイルも関係しています。
スキャルピングなどのトレードスタイルの場合はどうしても取引回数は多くなりますが、しっかりとルールに沿ってリスクリワードを考えているのであれば、問題ありません。
ただし、今日は負けているから取り返そうなどと考えて取引回数を増やしたり、損切りにあったから悔しくてすぐに新しいポジションを持とうとしたりするようではポジポジ病と言えます。
またデイトレードであっても、チャートをずっと眺めているとどうしてもチャンスと勘違いしてしまい、1日3回とルールを自分で決めていたのにも関わらず、10回以上のトレードを感情に任せてしてしまいがちです。
やはりスキャルピングやデイトレードをしているとポジポジ病になりやすいのは確かです。
もしどうしてもポジポジ病が治らないようであれば、トレードスタイルを変えると根本からトレードが変わるので、狙いを定めたトレードができるきっかけになるかもしれません。
例えばスイングトレードで1週間の大きな流れを狙う場合は必然的にチャートの時間足も4時間足や日足などになるので、めったにチャンスが来るものではありません。大きな時間足で大きな流れに乗るようなスタイルを試しにしてみるとポジポジ病も改善するきっかけになります。


ポジポジ病を克服するには


ただし、ポジポジ病の人はルールを作るのは簡単ですが、それが守れないことが問題なのです。
例えば、1日の取引回数をルールとして5回までと決めることは簡単です。
ただ、それを守るのは実は難しいです。
一番の理由としては、トレードは1人で行うものだからです。
仮にルールを破ったとしても誰も咎める人はいませんし、罰もありません。
誰も監視して見ている訳ではないので、ルールがあろうがなかろうが、実はポジポジ病の人には関係ありません。
もちろん中には自分に厳しい人もいるので、一度自分でルールを決めたら必ず実行するという人もいるかもしれませんが、ごくまれなパターンです。
ポジポジ病の一番の問題は感情です。
感情のままにトレードをすると、うまく行かなかった時に、「次こそ勝ってやる」と意気込んで、トレード回数を増やしてしまうのです。


例えば「チャートでこの形になった時に買うと過去チャートでは3回に1回は勝てる」というような確かな検証に基づいたトレードのみをすることです。
3回に1回勝つということは、2回は負けるということなので、もしトレードが失敗しても次のチャンスを待つことができます。
チャート検証をもとに根拠に基づいた確率的トレードをすることでポジポジ病は改善されます。

人から聞いたような売買ポイントでは、トレードに失敗した場合に、やはりブレてしまってポジポジ病になってしまいがちです。
自分で検証した場合は、実際に自分で確かめているので、優位性のないところで無理に入ろうとはしません。
また確率をもとにトレードができれば、一回損切りにあったくらいであたふたせずに、次のチャンスを待つことができます。
リスクリワードを徹底していれば、たとえ10回のトレードのうち3勝7敗だったとしても十分利益を出すことができます。
自分で検証した優位性の高いポイントが来た時だけ機械式にエントリーして、あとは勝率を信じるだけです。

スキャルピングのスタイルの場合は少し難しいかもしれませんが、デイトレードでどうしても取引回数が多くなってしまう場合には一度エントリーしたら損失確定と利益確定の決済注文を両方設定してあとは放置です。
ほとんどの会社で決済のメール通知を設定できるので、メールを待って損切りになったか利益確定になったか確認すればいいのです。
一度注文を出してからチャートを見続けてもいいことはありません。
特に短い時間足などを見ているとチャートが乱高下するので、その度に焦って決済したり、事前に設定した損切り幅を広げたりしてしまう原因になります。
チャートを見るのは注文前の準備段階で、検証も含めてしっかりと時間をとって見るべきですが、いざ発注したらすることはないのです。

過去検証の方法のヒント
検証の仕方は別にて詳しく説明しますが、まずは自分の成功トレードから広げると良いです。
例えば日足、4時間足、1時間足が全て上昇している時に9時に買ったら大きく利益を伸ばすことができたなら、過去チャートで、同じ状況になった時の勝率はどうなのか検証してみます。
またローソク足の形に注目して成功トレードの共通点などを見つけるのも良いです。
とにかく優位性の高いトレードをしていれば負けることはあっても資金が増えるということを自分で検証して自分の中に落とし込むことができればポジポジ病は改善されます。
このような検証を手助けしてくれる取引ツールが使えるのが「マネーパートナーズ」です。
パソコン用取引ツールのHyperSpeed NEXTはPCインストール型のツールでWindowsのみ対応なので、Macに対応していないのは残念ですが、かなり高機能なツールです。
一番の特徴としては26種類のテクニカルを利用したオリジナルの売買ルールを作ることができます。
例えば、「設定した2つの移動平均線がクロスしたら買い」などテクニカル指標をもとにした売買ルールを一覧から選びます。
それらの売買ルールを組み合わせることでオリジナルの売買ルールが完成するのですが、すごいのはそのオリジナルの手法を過去検証できるのです。
期間を選んで自分の売買ルールを実行するとすぐに結果が出ます。
その結果をもとに手法を作り直したり改善したりすることで優位性の高い自分の手法が完成します。
さらには手法が完成したら、チャート上で売買ルールと合致した時にポップアップで知らせてくれます。

\約定力No.1/