

〜今回の要点チェック!〜
- 基本的にはロスカットや追証のシステムがあるので、大きな損失が出ても必要証拠金は一定以上は守られる
- ロスカットが機能しないと想定外の損失を出したり、必要証拠金以上の損失が借金になる可能性もある
- ロスカットが機能しないのは、相場の急変時、週末にレートが大きく動き窓が開く時、システム障害の場合などがある
- ロスカットが機能しても取引方法によっては資金をほとんど失ってしまう可能性もある
- 取引数量を減らしながら負けトレードを続けたり、損切りを設定しないで余剰金を増やしたりすると資金を失うリスクが高まる
- 流通量の多い通貨ペアを選択したり、損切りを徹底したりして対策を立てることで借金リスクはほとんどなくなる
目次
ロスカットと追証の仕組みをおさらい
ロスカットと残金
まずはどのように資金を失っていくのか損失の仕組みをもう一度確認しましょう。



FX会社 | ロスカット執行 |
GMOクリック証券FXネオ | 証拠金維持率50%割れ |
DMM FX | 証拠金維持率50%割れ |
マネーパートナーズ | 証拠金維持率40%割れ |
SBI FXトレード | 証拠金維持率50%割れ |
外為ジャパンFX | 証拠金維持率60%割れ |
みんなのFX | 証拠金維持率100%割れ |
FXプライム byGMO80% | 証拠金維持率80%割れ |
表の会社であれば、ロスカットラインにかかっても必要証拠金の約半分は残ることになるので借金にはならないですよね。
そうですね。基本的にはロスカットラインが設定されているので、上の会社であれば少なくとも必要証拠金の40%以上は残りますね。
ただし必要証拠金が残る割合であって、資金が残る割合ではないので注意しましょう。
例えばロスカットラインが証拠金維持率50%の場合に、必要証拠金44,000円に対して資金10万円を入金してロスカットにかかるとしたら、その時の残金は22,000円になります。

追証(追加証拠金)制度と残金
ロスカットシステムに加えて、追証制度あるので、よほどの急変でなければ、必要証拠金が大きく減ってしまうことはありません。
例えば、ロスカットラインが証拠金維持率50%に設定されている会社であっても、その日のNY市場が終わった段階で、証拠金維持率100%を割っていれば追証が発生します。
翌日までに、追加入金するか、ポジションを一部決済して証拠金維持率が100%以上になるようにしなければ強制決済されます。
この追証発生時に、足りない必要証拠金をFX会社が立て替えてくれていると考えると分かりやすいです。
「明日の期限までに立て替えた分を返してね」というのがFX会社の言い分です。
つまりFX会社に借金をしている状態とも言えます。

ちなみに追証が発生して入金して解消した場合は、口座の資金は入金額分増えたことになり、追証分の損失が出たわけではありません。
例えば資金50万円で追証が2万円分発生し、2万円を入金した場合は資金が52万円という扱いです。
ただし相場がさらにマイナス方向に進んでロスカットになる場合は入金しただけ損失も大きくなります。


借金としての追証が発生する場合とは
上で述べたようにロスカットが機能すれば借金になることはまずありませんが、ロスカットが機能しないことがごくまれにあります。
実際に各社のホームページを見ても、ロスカットは一定の証拠金を保証するものではないことが明記されているはずです。
FX取引では相場の状況によっては大きな損失を被るばかりか、預託された証拠金すべて、さらには追加の損金を支払わなくてはならなくなります。


ロスカットは基本的に、そのラインに達した段階で、成行注文で決済されるので、急騰急落時には特に滑って執行される場合もあります。
ロスカットになるような場合は、レートが急変していることも多く、想定以上の損失が出ることも十分可能性としてはあります。
ほとんどの場合は、ロスカットラインが滑ったとしてもほとんどの場合は必要証拠金以上の損失が出ることはありません。
ただし、2015年に起きたスイスフランショックのような場合は、レートの急変に対応できずに、いわゆる「値飛び」と言われるレートの値が飛んでしまうこともあります。
レートが再度確認できた時にはロスカットラインをはるか超えたところで決済されてしまうということも起きるのです。
このように入金してある必要証拠金以上に損失が出た場合はマイナス分だけ追加証拠金が発生するのですが、これが本当のFX会社に対しての借金と言えます。
すぐにマイナス分を入金できる資金があればいいのですが、手元に資金がない場合はさらに借金をして返済する場合もあるでしょう。
スイスフランショックのような事変は、何十年に1度起きるかどうかのごくまれな場合ですが、可能性としてはこのようなこともあるのです。

ロスカットが機能しないその他の原因


ロスカットが機能しない場合
- 相場の急変でレートが飛ぶ場合
- 週末の急変動
- システム障害
相場の急変時によってレートが飛んでしまうリスクについては上で説明した通りです。
その他のロスカットが機能しない原因として週末の急変動があります。
例えば、金曜日のNYクローズから月曜日に市場が開始されるまでは基本的にチャートにローソク足は表示されませんよね。
実は土日も一部の地域で市場が開かれており、レートは動いているのですが、土日に何かレートを動かすような大きな出来事が起きれば、大きくチャートが「窓」を開けて月曜日の市場がオープンします。
もし「窓」が開き、ロスカットラインを越えて月曜日にレートがついた場合は、大きな損失を出すことになります。
土日にポジションを持ち越すのはリスクがあるというのは、このような場合も考えてのことです。
その他には会社のシステム障害によるロスカットの遅延なども考えられますが、システム障害とロスカットが重なるということは通常であれば可能性としてはとても低いです
ただし、レートが急変するような場合は一時サーバーダウンするような可能性もあり、レート急変時にポジションを持っている場合はロスカットとシステム障害が重なることは十分ありえます。
一般的な損失の仕組みとは?2つの損失パターン
上で述べたようなスイスフランショックのように必要証拠金がマイナスになってしまうことは本当にまれな場合ですが、そこまでいかないまでも口座に入金した資金がほとんどなくなってしまうことは十分あります。


損失パターン
- 取引数量を減らしながら負けトレードを繰り返す
- 損切りを設定せずに余剰金を増やす
まずは取引数量を減らしながら取引を続けると資金がさらに減ります。
例えば、100万円の資金でロスカットにかかり、資金が40万円にまで減ったとしましょう。
ただこの時点で終了という訳ではなく、残りの資金額によっては取引数量を減らして取引できますよね。
例えば資金が減っていくごとに10万通貨、8万通貨、5万通貨、1万通貨と取引数量も減らせばトレードは可能です。
最低取引数量が1万通貨単位であれば、最後の資金が4~5万円になるまで取引ができます。

もし1,000通貨の取引単位であれば、4~5千円程度まで資金がなくなることも考えられます。
このように資金が減っても取引数量を減らしながらトレードを続けてしまうと、資金をほとんど失ってしまう可能性もあるのです。
負けた分を取り返そうとして取引数量を減らしながらトレードするのはおすすめしません。
資金を取り戻すためには、取引数量が少なくなるほど、多くの利幅を狙わなければならず、一発逆転とはなかなかいきません。
負けが続いているようであれば、資金がまだ残っているうちに一旦相場から撤退して落ち着いて状況を判断する必要があります。

もう一つの損失のパターンとしては、余剰金が多くて損切りを設定しない場合があります。
余剰金が多いほどレバレッジが下がるので、その点はいいのですが、損切りを設定せずにロスカットラインまで耐えるというようなスタイルの場合は注意です。
余剰金があるだけに、いざロスカットになった時には資金のほとんどを失うことになります。

このような損失パターンにはまってしまい多くの資金を失う方が、〇〇ショックなどが起きて大きな損失を出してしまうことよりも可能性は高いです。
この損失の仕組み、パターンを理解して多くの資金を失わないようにしましょう。
借金リスクや損失リスクの対策とは

損切りを徹底する
損切りを設定せずにいると何かレートを大きく動かすような出来事が起きた場合に損失を限定してくれるものはロスカットしかありません。
ただ損切りを毎回設定するようにすれば、まずはロスカットの前の段階で損切りが損失を限定してくれるセーフティネットになってくれます。
損失は最小限に止めることができるように早い段階での損切りを心がけましょう。
流動性の高い取引通貨を選ぶ
流動性の低い通貨はレート急変時には特に大きな動きをしたり、レートが飛んだりすることもあります。
スイスフランショックはスイスフランだからあそこまでレートが急変したとも言えます。
例えばユーロ米ドルや米ドル円のようなメジャーな通貨ペアについては流通量も多く流動性も高いので、レートを変動させる出来事が起きてもマイナー通貨ほど動くことはないです。
ファンダメンタルズも意識する
相場が本当に急変するのは予期しない何かが起きた場合が多いです。
例えば、突発的な戦争や大震災などがその例です。
これらの場合は予測が難しいので、日頃からポジションサイズを大きくしすぎない、ポジションを長期保有しないなどの対策が必要です。
ただ、事前に日時が決まっていて大きくレートを動かすものも多々あります。
最近の例で言えば、イギリスのEU離脱を問う国民投票、アメリカの大統領選挙などがその例です。
このように日程があらかじめ決まっている場合にはその結果を見てから取引を始めた方が良いです。
結果が発表される前にポジションを持つのはギャンブルに近く、さらにはレートが急変することによって、思いがけない損失リスクが高まります。
土日にポジションを保有しないようにする
トレードスタイルによっては難しいかもしれませんが、なるべく土日にポジションを持ち越さないようにすることが大切です。
週末には、一旦ポジションを決済して週末リスクに備えましょう。
持ち越す場合でもポジションを一部決済するなどして損失リスクを減らすことが重要です。
奥の手としては両建てをして含み益や含み損をロックして週末持ち越す方法もありますが、デメリットとしては取引コストがかかったり、両建ての仕方によっては損失が出たりする可能性もあります。
スキルや経験が身についた上級者向けの方法です。
会社によっては両建てがそもそもできない場合もあります。
レバレッジを上げすぎない
為替変動を狙った取引であれば、最大でも10倍程度にレバレッジを設定するようにしましょう。
レバレッジを上げるとリターンは大きくなりますが、その分損失リスクも大きくなります。
資金とポジションサイズを調節して初心者の場合は特にレバレッジを抑えた取引が必要です。
トレードが安定してしっかりと稼げるようになるまでは、失ってもいいくらいの少額で取引を始めることも重要です。
取引回数を決めるなど、取引をしないルール作りを意識する
これはトレードによる損失リスクを減らすための対策ですが、負けが続いている時に取引回数を増やして取り返そうとするのが負けパターンの一つです。
チャンスを待って優位性が高いエントリーポイントのみを狙って取引するのが安定した利益を出すコツですが、相場に入ると我を忘れてエントリーしがちです。
そのようなタイプの場合は取引回数を減らすようなルール作りが必要です。
簡単な例では1日や1週間での取引回数を決めたり、テクニカルをもとにエントリー判断の条件を厳しくしたりすることで回数を減らします。
システムが強い会社を選ぶ
システム障害によって取引ができない場合に大きな損失を出してしまうことを避けるためには、システムが強い会社を選ぶことも重要です。
GMOクリック証券FXネオはIT大手のGMOグループということからも分かるように、システムが強いことも多くのトレーダーに支持されている理由の1つです。
最近は特にシステムダウンのような障害もなく安心して取引することができる会社です。
