

〜今回の要点チェック!〜
- 初心者はトレンド相場で順張りを基本にする
- プロスペクト理論の反対、損小利大を意識したトレードを心がける
- ポジションサイズを考えレバレッジを上げすぎない
- 1回の損切りは資金の1%が望ましい
- 勝率よりもリスクリワードの設定を最適化する
- 確率に基づいてトレードを行い、勝ち負けに一喜一憂しない
目次
トレンドを意識したトレードができてますか
FXでは注文は「買い」か「売り」かしかありませんよね。
勝てない理由の一つとしては、上昇トレンド相場で売りをしたり、下降トレンド相場で買いをしたり、レンジ相場なのに、トレンド発生時の狙い方をしたりすることがあります。
もちろん逆張りで反転を狙う手法もありますが、初心者には判断も難しいため、順張りでトレンドに沿ったトレードをする方が簡単なのですが、そもそも現在どのような相場なのかがわからないという場合もあります。
まずトレンド相場、レンジ相場というものがどんなものかを理解して、基本はトレンド相場の順張りを狙うようにすると良いです。
そのためにはトレンド発生時のチャートの形をまずは理解しましょう。
トレンドが発生しても一直線で動くことはまれで、大抵は上下動を伴って上昇、下降します。
その上昇中の押し目や、下降中の戻りを狙ってエントリーポイントを探すのが基本です。

もちろん複数の時間足チャートを見て相場環境を理解することは大切ですが、どの時間足チャートのどの流れを狙うのかがはっきりしていないとトレードにブレが生じて買っていいのか売っていいのか分からなくなってしまいます。
例えばデイトレードであれば、日足、4時間足、1時間足で相場環境を読み取って、1時間足のトレンドの流れを狙うのも一つのやり方です。
決済ポイントはエントリーよりも難しい



エントリーポイントが良くても決済の方法を理解していなければ、利益どころか大きな損失を出してしまう可能性もあります。
決済には損失が出た場合の損切りとしての損失確定決済、利益が出た場合の利益確定決済があります。
実はエントリーよりも決済の方が難しいとも言われるくらいなので、初心者の場合は特に意識して決済の方法を学んでいきましょう。
よく言われることですが、損失が大きく利益が小さい場合は、トータルで利益を出すことが難しいです。

ましてや「損切りを設定しない」という場合は、当然勝つことは難しいです。
極端に言えば、100回のうち、99回損切りなしで成功しても、たった1回の失敗トレードで稼いだお金の大半を吹っ飛ばしてしまうこともあり得ます。
損失はどのくらいで、利益はどのくらいかをあらかじめ決めて設定しない場合は、プロスペクト理論でも説明されているように、どうしても損失が大きく、利益は小さくなってしまいます。
このプロスペクト理論を克服するためにエントリーと同時に損失確定注文と利益確定注文を設定しておくことがポイントです。
プロと同じトレードでも資金が減る理由とは


それはポジションサイズ、言いかえるとレバレッジが適当かということです。
プロトレーダーでも何連敗もすることはあります。
例えば10連敗してしまった時でも、資金がほとんどなくなってしまっているのか、まだほとんどの資金が残っているのかは、どのくらいのレバレッジで取引をしていたかに関わってきます。
プロトレーダーと全く同じトレードをしていたとしても、レバレッジ設定が高すぎる場合はロスカットになってしまう可能性もあるのです。

資金管理は損切りの設定から
例えば1回の損切りをどのくらいに設定するのかはレバレッジやポジションサイズも関わってきます。
まずはこの損切りが資金の何%になっているのかということは押さえておきたいポイントです。
良く言われるのが1回の損切りは資金の1~2%、できれば1%が理想だと言われています。
100万円の資金でトレードする場合は、1回の損切りが、1万円ということですね。
例えば、米ドル円のレートが100円だとして、10万通貨で取引した場合を考えます。
10万通貨の取引の場合、10pipsで1万円の損益になるので、1回の損切りは10pipsまで許容できます。
もしトレードスタイルによって損切り幅を倍の20pipsにしたい場合は、半分の5万通貨の取引にしないと損切りが資金の1%を超えてしまいます。

損切りを資金の1%に設定すると10連敗しても資金が90%程度残ることになり、まだ同じポジションサイズでのトレードができます。
ちなみにリスクリワードが1 : 5であれば、10連敗から2勝するだけで、資金を取り戻せます。
ただし、資金に対しての損切りの割合が大きいほど、資金がどんどん減っていきます。
資金が大きく減るとポジションサイズも小さくなることから、そこから元の資金額に戻すことが難しくなります。
勝率にこだわりすぎていませんか
FXにおいては優位性の高いエントリーポイントを探すことはとても重要なことです。
例えば、チャートがこの形になったら上昇する可能性が高いなどというチャートパターンや、各種テクニカルをもとにして、その後のレートの動きを予測しようとしますよね。
このように優位性を少しでも上げることは大切なことですが、勝率という言葉に初心者のうちは惑わされているような気がします。

極端な話、利益確定1pips、損切り100pipsに設定してトレードをすると勝率はかなり上がりますよね。
エントリーポイントをあまり厳選しなくてもかなりの勝率になるはずです。
ただ勝率が高くても利益を出せるかどうかとはまた別の話であることは分かりますね。
この場合は100回トレードして100連勝しても次に1回負けるとプラスマイナスゼロになってしまいますよね。
これは極端な例ですが、最初のうちは勝率にこだわってしまい、リスクリワードが崩れてしまう傾向があります。
一度決めたリスクリワードを遵守した上で、優位性の高いエントリーポイントを探し、勝率を上げようとするのはいいのですが、リスクリワードのバランスを崩して勝率を上げるのは、利益が出なくなるどころか、勝率が高いのに資金が減っていくという状況にもなりかねません。
勝率は5割〜6割でもあれば十分です。
それより大切なのは、その勝率でも利益が十分出るようなリスクリワードの設定です。
仮に勝率5割だとしてもリスクリワード1 : 3ならば資金はどんどん増えていきます。
勝てないトレーダーのほとんどの原因がここにあると言ってもいいくらいとても重要な部分です。

エントリー後に上がろうが、下がろうが気にしないと言えますか
先ほどのリスクリワードの話とも関係してくるのですが、これからの値動きを推測し、優位性の高いトレードを探すのは利益を出すために必要なことです。
しかし、実際にエントリー後に上がるか下がるかに全てを賭けるようなトレードはギャンブルとしか言えません。

ただし安定して利益を出しているトレーダーがエントリーする際にはどのくらいの確率で上がるか、下がるかは把握しているはずです。
例えば、この形になったら過去のチャート検証では5回に3回は上がるなどということが分かっているということです。
ですので、エントリーした時は5回に2回ある上がらない時かもしれませんし、どうなるかは分からないのです。
つまり、予想することは意味のないことになります。
5回同じ状況でトレードして、5回のうち3回取れればいいだけのことです。
この確率をもとにしてトレードを考えることができるようになると、利益が安定してきますし、次に上がるか下がるか賭けるようなトレードはなくなります。
確率的に優位性が高いエントリーポイントを見つけてトレードできれば、確率的思考でトレード結果を捉えることができます。
これはメンタルにも関わってくる重要なポイントです。
確率的思考で機械式にエントリーができるようになると多少負けが続いても淡々とトレードすることができます。
一方で、次上がるか下がるかをその場で予想してトレードする場合は、連敗が続くとどうしても感情的になってしまい、損切り幅を広げたり、少しの利益で決済したりしてしまいます。

まとめ
最初なかなか勝つことが出来ないと、「FXって勝てない仕組みになってるのでは?」と原因を外に探そうとしてしまいがちです。
例えば、スプレッドの関係などから、利用している会社を変えることで勝てるようになるケースもあります。
ただ、ほとんどの勝てない理由は自分自身にあります。
自分のトレードは必ず定期的に振り返るようにして、どこに問題があるのかを検証しましょう。
その問題を一つ一つ解決していけば、勝てるトレーダーになれます。