

サラリーマンをしながらFXを始めようと考えている方、またはサラリーマンをしながら既にFXを始めたはいいが、初めての確定申告の時期になった方にとって心配事の一つはFXをしていることが会社にばれないだろうかということですよね。
そもそも会社が副業を禁止しているからばれたら大変だという場合もありますし、副業は認められており問題はないけど、FXをしていること自体を知られたくない、またはどのくらいFXで利益を出したのか、損失を出したのか知られるのが心配だという気持ちも良く分かります。
ここではFXをしていることが会社に知られることはあるのか、また損益を会社に知られることはあるのか、さらに知られないためにはどのような手続きをすれば良いのかを分かりやすく伝えていきます。
結論からお伝えすると、注意点は確定申告の際の住民税の納付方法です。
目次
FXが副業としてばれたりするの?
副業の定義とは
2018年に厚生労働省が働き方改革や副業についてのガイドラインを出したこともあり、副業に注目が集まっています。
自分もなにか副業をしてみようと考えているサラリーマンはとても多いですよね。
ただ現在でも副業を「就業規則」において禁止している会社は多く、また公務員の場合であれば原則として副業は法律で禁止されています。
副業の定義を一言で表すと「本業以外で収入を得ている仕事」です。
この定義からするとあらゆる収入源が副業に該当しますが、多種多様な収入源がそれぞれ副業に該当するかどうか法律で決めることはできず、具体的な最終判断は各会社にて行うことになります。
FXは副業なのか
本題ですが、FXは副業なのでしょうか。
FXを投資という概念で考えると株式投資や外貨預金、または不動産投資などと同じだと思いませんか?
また一方でFXをギャンブルとみなしている人にとっては、パチンコや競馬と同じように趣味と同じだとも言えますよね。
いずれにせよFXを副業とみなすことは難しいです。
そもそも本業に支障をきたさないことが、副業禁止の大前提であるのでFXや株またはネットオークションなどでいくらか利益が出たところでそれを副業とみなす会社はほとんどありません。
実際に公務員の場合においてもFXは個人の資産運用とみなされるため法律で禁止されている副業には該当しません。
つまり副業禁止の会社に勤務していて、副業としてFXをしていることがばれてしまうことを心配している人は、会社の就業規則に違反する可能性は極めて低くその点では心配しなくても大丈夫です。
ただし、FXにのめり込み過ぎてしまい勤務中であるにもかかわらず取引をしたり、チャートを見たりするようなことがあれば、ばれてしまうのは当たり前ですよね。
またひどければ懲戒処分になるかもしれません。
今ではスマホでも簡単に取引ができるようになっているため、ついつい画面を見てしまうということがないように十分に注意しましょう。
FXをしていること自体ばれてしまうのはあるの?
口座開設のマイナンバー登録でばれる?
FXが副業に該当する可能性は非常に低いので、副業としてばれないかという心配をしなくてもいいということは分かったでしょうか。
ただ中には、会社で副業も認められているが、そもそも会社にFXをしていることを知られたくないという人もたくさんいますよね。
それではFXをしていることが会社にばれてしまうのはどんな場合でしょうか。
まず気になるのが口座開設の際に入力した個人情報です。
例えば、マイナンバーや勤務先情報を入力することから会社にばれてしまうのではないかという不安は良く分かります。
まずはマイナンバーですが、この制度は行政が効率的に個人情報を管理するためのものであり、この場合はFX業者が税務署に個人情報を報告するために利用されるものです。
またマイナンバーに紐付けされている各情報はナンバーを知っているからといって誰でも分かるものではないので心配しなくても大丈夫です。
つまりFX会社にマイナンバーを伝えることで、勤務先の会社にFXをしていることが知られるということはありません。
また勤務先情報についても、在籍確認の電話などが会社にかかってくることはまずないです。資産があれば無職でも口座開設できるくらいなので、この点についても心配することはありません。
利益が出た場合の住民税においての重要ポイント
とうとう重要なポイントまで来ましたよ。
確定申告の時における注意点をお伝えしましょう。
本業の給与所得がある場合は、FXの年間所得が20万円を超える場合に課税対象者となります。
税率は利益の大きさにかかわらず一律20.315%です。
ポイント
FXの税金20.315% = 所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%
ちなみにあまり知られていませんが、内訳の住民税5%についてはFXの年間所得が20万以下であっても利益があれば納めなければいけません。
ドキッとした人もいるのではないでしょうか。
知らずにいた場合も税務調査が入るということは考えにくいですが、決まりですのでしっかりと納税するようにしましょうね。
話がそれましたが、この住民税を納める時に注意が必要になります。
徴収方法は2つあり「特別徴収(給与から差引き)」と「普通徴収(自分で納付)」です。
下の資料は確定申告書Bの第2表です。
赤枠が住民税に関する事項です。
上の資料の赤枠を切り取ったものが下の資料です。
この赤枠の「自分で納付」を選ぶことがポイントです。
普通徴収を選ぶと勤務先にFXにおける住民税が知られることはないので、会社からにFXをしていることが知られることはないです。
ただ特別徴収を選んでしまうと勤務先に副収入における住民税が知られることになります。
注意ポイント
住民税の納付方法は「普通徴収=自分で納付」を選ぶ
ただ、天引きされた住民税の金額から副収入でどのくらい利益があったのかは推測できますが、どのようにして得た利益なのかまでは知られることはありません。
つまりこの特別徴収を選んでしまった場合でもFXをしているということまでは分かりません。
損失がばれてしまうことがあるの?
次にFXで損失が出た場合でかつ確定申告をした場合はどうでしょうか。
損失が出ても確定申告するの?って思った人もいるかもしれません。
そうです、FXで年間損失が出た場合はなんと3年間の繰越控除が可能なのです。
例えばある年にマイナス100万円で次の年にプラス120万円の利益が出たとしてもその年の課税所得は前年と相殺され、20万円とみなされます。
FXで損失が出た場合でも節税のために必ず確定申告はしておきましょうね。
ではこの損失が出た場合の確定申告において会社にばれるようなことはあるのでしょうか。
結論からお伝えするとありません。
もしこの損益通算が勤務先の給与ともできるのであれば会社からの給与に対する所得税が変わることになりますが、このFXの損益通算ができるのは先物取引による雑所得のみなので、会社の給与には一切関係しません。
つまりFXでどれほど損失を出したとしてもそれが会社に知られることはありません。
ただでさえ損失でダメージを受けているのに、会社にまで知られたらたまったもんじゃないですよね。
注意すべきは利益が出た時の確定申告の際に住民税の納税方法を普通徴収にするということです。この点に注意すれば会社に副収入があることがばれることはありません。
副収入を会社に隠すことはできるの?


例えば、確定申告の手続きの際に役所のミスなどで、住民税が普通徴収から特別徴収になる可能性もゼロではありませんよね。
また自治体によってはこの住民税の徴収の仕方を特別徴収に一本化しようという試みもあり、すでに実際にそうなっている自治体もあります。
自分の市町村がどうなっているのかを問い合わせるのが一番確実です。
さらに市区町村によっては住民税における住宅ローンや医療費控除の合計額を勤務先の会社に伝える際に特別徴収税額通知書というものを用います。
その通知書に本業とは別の所得があるかどうかが分かる項目欄を設定している市区町村もあります。
その場合はFXだとは限定できないまでも副収入があるかどうかは知られてしまいます。
サラリーマントレーダーが注意すべきことって何?
これまでFXをしていることが口座開設や確定申告などの各種手続きにおいて会社にばれるのかを説明してきましたが、サラリーマンが一番注意すべきことはやはり勤務中にFXをしないことです。
勤務中にスマホの画面を開いた時にチャート画面が表示されると、それだけでFXをしていることがばれますし、ばれるかどうかの以前に就業規則に反していると見なされたら大変ですよね。
FXは24時間取引できることもあり、そのことをプラスにするのもマイナスにするのも自分次第です。
特に初心者の間は、四六時中チャートを眺めている人よりも、時間を絞ってトレードをしている人の方が成果を出しやすいです。
自分が時間を取れる時間帯に集中してトレードをしましょうね。
今回のポイント
- FXはそもそも副業とは見なされない
- 確定申告の際の住民税を納める時に普通徴収を選択すれば副収入が会社にばれない
- 副収入を完全に会社に隠すのは難しいこともある(ばれたとしてもFXだと限定されることはない)
- 勤務中にFXをしないことが一番大切