

目次
「売り」と「買い」の仕組みを理解しよう
「買い」の仕組みとは
ではまず分かりやすい「買い」の仕組みから説明しましょう。
物販ビジネスをイメージすると分かりやすいです。
簡単に言うと、安く仕入れて高く売ることで利益を出す仕組みです。
チョコレートを海外から100円で仕入れて110円で売ると10円の利益が出ますね。
FXにおいても考え方は全く同じです。
例えば、米ドル/円の場合は米ドルを安く仕入れて高くなったら売ると言うことです。
1ドルを100円で買って110円になったら売ると、チョコレートの時と同じように10円の利益が出ますね。
ポイント
- 「買い」は通貨を安く買い高く売ることで利益を出す
- 「買い」はロングとも呼ぶ
「売り」の仕組みとは


「売り」についても例を使って説明しましょうか。
ある懸賞でまなぶ君にパソコンが当たったとしましょう。
しかし今持っているiPadで十分だと思い、使用目的が無いパソコンを売ることにしました。
ヤフオクで10万円で売ることができました。
ところが1年後、仕事の関係でパソコンが必要になり、フリマサイトで探していると自分が売ったパソコンの同機種が7万円で売っていました。
まなぶ君はそのパソコンを購入することにしました。



FXも同じ仕組みです。
米ドル/円であれば、米ドルを高いところで売っておいて安くなった時に買い戻します。
つまり1ドルを110円で売って、100円になった時に買い戻すと10円の利益が出ますね。
この場合、もともと持っていないはずの最初の1ドルは証拠金を担保にFX会社から借りていると考えると分かりやすいです。
先ほどの例だと10円の利益を出した後に借りた1ドルを返すと言う仕組みです。
ポイント
- 「売り」は通貨を高く売り安く買い戻すことで利益を出す
- 「売り」はショートとも呼ぶ
円高と円安を理解しよう
円高と円安の基礎知識を身につけよう
まず円高とは円の価値が上がることです。
例えば以前はアメリカのチョコレート1つ買うのに200円も必要だったが、100円だけで交換できるようになった場合は、チョコレート(米ドル)の価値が下がり、相対的に円の価値が上がります。
これを円高と言います。
逆に円安とは円の価値が下がることです。
アメリカのチョコレートを1つ買うのに以前は200円でよかったのに、300円払わないと買えなくなった場合は、チョコレート(米ドル)の価値が上がり、相対的に円の価値が下がります。
これを円安と言います。



ポイント
- 円高は円の価値が上がること
- 円安は円の価値が下がること
- 1ドル100円を基準にした場合は、1ドル110円は円安、1ドル90円は円高
「売り買い」と「円高円安」の関係を理解しよう

下は米ドル/円のチャートです。決済通貨は円なので、縦軸は1ドルが何円かを示しています。
まずは「円高円安」の確認です。
チャートが上昇した場合は円安傾向ということですね。
反対にチャートが下降した場合は円高傾向ですよね。



反対に「売り」を狙う時ですが、米ドルが高い時に売り安いところで買い戻すと利益が出ますよね。なので下降局面で「売り」を狙います。
チャートが上昇していれば「買い」のチャンスを狙い、下降していれば「売り」のチャンスを狙うのが基本です。
ポイント
円を含む通貨ペアの取引
- 上昇局面=円安局面においては「買い」を狙う
- 下降局面=円高局面においては「売り」を狙う
「売り」のメリットとデメリット
「売り」のメリット


まずは「売り」のメリットですが、手数料の点については「買い」と同じようにトレードすることができます。
つまり手数料は基本スプレッドのみということです。
株の場合も空売りというシステムがありますが、買いに比べて様々な手数料が必要です。
また株の場合は、これから伸びていく企業に投資をして支えるという役割もあり、株が下落していく中で利益を得るのは一種の罪悪感を感じる場合もあるでしょう。
FXの「売り」は「買い」と全く同じようにできます。
純粋に上昇トレンドなら「買い」で狙い、下降トレンドなら「売り」で狙うという戦略を立てることで、エントリーチャンスが2倍に増えます。
さらには傾向として、下降トレンドは上昇トレンドと比べて急です。
つまり短期間で大きくチャートが動くことになり、売りをマスターできれば短期間で大きな利益を狙うことができます。
実際に売りだけを狙ってトレードをしているプロトレーダーもいるくらいです。
ポイント
- FXは「売り」も「買い」も全く同じように取引可能
- 下降トレンドは急であることが多く、「売り」は短期間で大きな利益を狙いやすい
「売り」のデメリット


まずはスワップポイントです。
スワップポイントとは通貨間の金利差から発生するもので、ポジションを持ち続けると決済するまで日単位で発生する料金です。
プラスのスワップポイントなら利益、マイナスのスワップポイントの場合は損失となります。
参考
次の表は2019年2月11日時点の「GMOクリック証券」のスワップポイントをまとめたものです。
通貨ペア | 売りのスワップポイント | 買いのスワップポイント |
米ドル/円 | -78 | 75 |
ユーロ/円 | 5 | -6 |
英ポンド/円 | -40 | 37 |
豪ドル/円 | -37 | 36 |
NZドル/円 | -29 | 26 |
ユーロ/米ドル | 88 | -91 |
これを見ると、現在日本の金利が低いこともあり、円を含む通貨ペアのほとんどが、売るとマイナスのスワップポイントが発生してしまいます。
売ると必ずマイナスのスワップポイントが発生する訳ではありませんが、円を含む通貨ペアを日をまたいで長期保有するトレードスタイルの場合は注意が必要です。
ただし、このマイナスのスワップポイントのために「売り」をしないというのはもったいないです。
いくらかマイナスのスワップポイントが発生しても為替差益で十分に取り戻せるくらいの金額だからです。


もう1つのデメリットは売りと買いのチャンスが増えることにより、相場に翻弄されることです。
下がると思って売ってみたけど反転上昇し損切りにあったので、今度は買ってみるとまたすぐに下がってマイナスになってしまうような場合です。
慣れないうちは、まるで往復ビンタされたような気持ちになってしまいます。
これを避けるためにも初心者のうちは「今日は売りだけを狙う」など目線をしっかりと固定する必要があります。
それでも上手くいかなければ、今日は終わりと潔く負けを認めることで無駄な損失を抑えることができます。
初心者のうちは回数の制限などルール作りが必要です。
ポイント
- 円を含む通貨ペアは売るとマイナスのスワップポイントが発生することが多い
→為替差益で十分取り戻せる - 売り買い両方をすることで、損失が膨らむことがある
→エントリー前にしっかりと目線やルールを定める
今回のポイント
- 「買い」はある通貨を安く買い高く売ることで利益を狙う
- 「売り」はある通貨を高く売り安く買い戻すことで利益を狙う
- 円を含む通貨ペアでは円安局面なら「買い」、円高局面なら「売り」を狙う
- 売り買い両方できるとチャンスは2倍になるがリスクも増える