

目次
pipsの意味を理解しよう
pipsとは
pipsは英語の「percentage in point」からきたものです。
意味としては、各通貨の最小単位の1パーセントつまり100分の1を示すものです。
少し分かりにくいですね。
円を例にして説明してみましょう。
円の最小単位は1円なので、1円の1パーセント、つまり100分の1が1pipsです。
今では日常生活で使われることはありませんが、1953年まで使われていた銭(せん)という単位が円にあったのは聞いたことがありますよね。
1銭(せん)も1円の100分の1を表す単位なので、円の場合は1銭=1pipsということになりますね。
参考に円とpipsの表を用意しました。
日本円 | pips |
1銭 | 1pips |
10銭 | 10pips |
50銭 | 50pips |
1円 | 100pips |
10円 | 1,000pips |
ポイント
- 1円=100pipsと覚えておけば簡単!
各通貨の1pipの位を確認してみよう
クロス円(円を含む通貨ペア)の場合は少数第2位が1pipsの位です。
上の米ドル/円の例の場合、買いのレートと売りのレートの差が0.3銭(pips)ですね。
なので真ん中上にスプレッドが0.3銭(pips)であることが表記されています。
次に円を含まない通貨ペアを見てみましょう。
海外の通貨も、もちろん最小単位の100分の1が1pipsなのですが、なかなかイメージできませんよね。
そこで、円を含まない通貨ペアについては少数第4位が1pipsの単位と覚えておくと簡単です。
ユーロ/米ドルのレートを最初に見たとき「?」の状態になった人は多いと思います。
上の例で説明すると1ユーロが1.1403ドル付近で売買されていることを表しています。
つまり表示されている値は、この場合「ドル」ということです。
ドルの最小単位が「セント」なので1セントの100分の1の位が1pipsの位となります。
分かりにくいので、最初に説明したように小数点第4位が1pipsの位と覚えておくと良いですね。
ポイント
1pipsの位の確認
- 円を含む通貨ペアは、少数第2位が1pipsの位
- 円を含まない通貨ペアは、少数第4位が1pipsの位
どうしてpipsを使うの?
小さい単位があると便利
そもそもなぜこのpipsという単位を扱うのでしょうか。
まず一つには、小さな通貨単位がFXにおいては必要だからです。
例えば、米ドル/円が100円から111円になった場合、ほとんどの人からすると、「たった1円の差」と感じるでしょう。
しかし、そのたった1円の為替差であっても取引数量によっては、100万円さらには1,000万円の損益に関わってしまうのです。
米ドル/円ならば1日で1円以上レートが変動することはめったにありません。
つまり、1円という単位はトレーダーにとってはとても大きな単位なので、100分の1の単位があると便利なのです。
同じものさしで測るため分かりやすい
もう一つの理由は分かりやすさです。
FXには様々な通貨ペアがあり、決済通貨も異なります。
「1円の為替差益が取れた」と「10セントの為替差益が取れた」など単位が違うと分かりにくいですね。
そこで各通貨ペアで共通した単位を使うことで、どの通貨ペアを取引した場合にもどのくらいの為替差損益を出したのかが分かりやすくなります。
また、利益や損失をpipsで表すことにより同じものさしで測ることができます。
例えば、「毎日1万円稼げる手法があります」という表現の場合、どのくらいの為替差を狙っているのか分かりません。
もし100万通貨で取引するなら、ほんの1pips獲得するだけで、1万円の利益です。
また、1万通貨で取引するなら、100pips獲得してようやく1万円の利益です。
このように、取引数量を限定しないことにはどのくらいのpipsを狙う手法なのか分かりません。
一方で、「毎日10pips稼げる手法があります」という場合は、10万通貨の場合なら1万円、もし100万通貨用意できれば10万円だなと、取引数量をシミュレーションすることで、実際の利益を算出することができます。
どちらが分かりやすいかは言うまでもありませんね。
ポイント
- トレード結果をpipsではなく金額のみで表した場合、相手は良し悪しを判断できない
pipsで損益の計算をしよう
どれくらいのpipsを獲得すれば、どのくらいの利益になるのかを頭の中でイメージできるようになりましょう。
円を含む通貨ペアの場合は、取引数量 × 獲得pips ÷ 100で損益を計算できます。
例
米ドル/円10万通貨で100pips獲得した場合
100,000×100pips÷100=100,000円(10万円の利益)
1万通貨なら100pipsで1万円の利益というのを基準にしておくと分かりやすいですね。
ちなみに米ドル/円の場合、1万通貨は4万円程度で取引できます。
※その時のレートにより異なります。
ポイント
クロス円(円を含む通貨ペア)の損益計算
- 取引数量 × 獲得pips ÷ 100 = 損益(円)
次に円を含まない通貨ペアのpipsによる損益計算を説明しますね。
円を含まない通貨ペアは、単純にロット数 × 獲得pipsで損益を計算できます。
ここでの注意点は、計算で出てきた数字が決済通貨の値となることです。
ユーロ/米ドルの例
ユーロ/米ドル10万通貨で50pips獲得した場合
100,000 × 50pips ÷ 100 = 500ドル
この場合決済通貨はドルなので、出てくる数字の値はドルです。
円に換算してみましょう。
米ドル/円のレートが110円だとすれば、500ドル × 110円 = 55,000円です。
ユーロ/米ドルの損益計算をまとめておきますね。
ポイント
ユーロ/米ドルの損益計算
- 取引数量 × 獲得pips ÷ 100 × 米ドル/円のレート = 損益(円)
※1ロットは1万通貨としています
2つの通貨ペアの計算式を比べてみると、仮に米ドル/円のレートが110円だとすれば、米ドル/円とユーロ/米ドルにおいて同じpipsを獲得してもユーロ/米ドルの方が1割ほど利益が増しますね。
ユーロ/米ドルは、その時の米ドル/円のレートにより円換算の損益額が変動するのです。
このような計算が面倒な場合、FX会社がサイトにて損益シミュレーションのツールを出しています。数字を入力するだけで簡単に算出することができるので、そのようなツールを利用するのもいいですね。
利益計算だけでなく、レートがどのくらい動いたら、どのくらいの損失が出るのかもしっかりと把握しておきましょうね。
pipsをもとにトレードしよう
初心者のうちはリスクを減らすためにも、まずは少額から取引を始めるのが良いです。
少額から始めて利益を狙う時に、金額ではなくpipsをもとに考える癖をつけておきましょう。
例えば「週に20pipsを目標にする」や「月に100pipsを狙う」などです。
仮に米ドル/円で1,000通貨の取引から始めた場合はどうでしょうか。
月に目標の100pips取れたとしてもたった1,000円の利益ですね。
月の目標が1,000円と考えるとなんだかやる気になりませんが、もし10万通貨で取引していれば同じ100pipsでも利益は10万円です。
最初、少額でトレードをしているとなかなか気づきにくいことですが、資金が増えた場合はどのくらいの利益になるのかをイメージしながら、pipsをもとにトレードをするのをおすすめします。
取引数量を増やした際にも、金額ではなくpipsをもとに考えられるようになれば、資金が増えたことによる精神的プレッシャーを減らすことができるでしょう。
今回のポイント
- 円を含む通貨ペアは、少数第2位が1pipsの位
- 円を含まない通貨ペアは、少数第4位が1pipsの位
- クロス円の損益計算式 取引数量 × 獲得pips ÷ 100 = 損益(円)
- ユーロ/米ドルの損益計算式 取引数量 × 獲得pips ÷ 100 × 米ドル/円のレート = 損益(円)
- 利益も損失もpipsをもとに考えること