



目次
勝率2分の1という考えは間違ってるの?
初心者がしてしまいがちなトレードとは
まなぶ君と同じように「FXは勝率50%程度になるはずだから大きく負けることはない」と考えている初心者は多いです。
ところが実際にトレードをしてみると、利益を出せたトレード回数の方が損失を出したトレード回数よりも多いのに、合計するとマイナスになってしまう場合がほとんどです。
実際に私も初心者のうちは同じでした。
なぜ負けてしまうのかは少し考えてみれば分かります。
勝ったトレードの利益額が平均数百円で、負けたトレードの損失額が平均1万円だとしたら、いくら勝っても合計はマイナスになるのはイメージできますよね。
上は極端な例かもしれませんが、よくありがちなトレード結果です。
勝率は70%を超えていますが、損益をトータルすると大きく負けていますね。
ついつい1回のトレードがプラスに終わったかどうかに意識が向きがちですが、勝ち負けの勝率よりも、どのくらいの利益を狙い、どのくらいの損失を許容するのかを決めることの方が大切なのです。
ポイント
利益と損失の値を決めていないと勝率は意味をなさない
損切りがすぐにできないのはなぜ?
先ほどのトレード結果の例を見ても分かりますが、初心者のうちはなかなか損失を認めることができませんよね。
私もそうでしたが、自分の資金が減ってしまうというリスクをあまり考えずに、お金を稼ごうと思ってFXを始めているので、いざ現実に直面するとすぐに損失を受け入れることは難しいです。
FXでは損失を確定して決済することを「損切り」と言いますが、この損切りが正しくできるかが、勝てるトレーダーになる近道です。
損切りができなくなるもう一つの要因は「成功体験」にあります。先ほどの例では「もうダメだ〜!!!!」で損失を決済しましたが、「神様お願い!!!」の時に本当に願いが叶い戻って来ることもよくあるのです。
その後上昇するようなことがあれば、マイナスだったはずのトレードをプラスにできるのです。
そのような成功経験をしたら、次に同じような状況になった時に今回も大丈夫だと思ってしまい、さらに損切りをすることが難しくなってしまいます。
損切りをしないトレードをしているとどうなる?
損切りができない場合のトレードにはどのような特徴があるのでしょうか。
先ほどの例を思い出しながら聞いて下さいね。
例えばある通貨を買ってエントリーした後、そのままずっと上昇して一度もマイナスにならないというトレードが理想ですよね。
もちろんプロのトレーダーもそのようなエントリーポイントを狙ってトレードするのですが、なかなか難しいです。
なのでエントリーと同時に損切りを入れるようにします。
勝っているトレーダーのほとんどはこのようにエントリー時に全てを決定しています。
一方で、最初の段階で損切りを入れなければ、おそらく負けた時の損失は大きくなるでしょう。
なぜならどの程度の損失まで許容するのかあらかじめ決めていないと膨らむほど損失を確定するのに勇気がいるからです。
まだ大丈夫、絶対に戻ってくると信じて放置している状態です。
運が悪ければ最終的に資金がなくなるまで(ロスカットにあうまで)損失を確定できないことも多いです。
ところが一方で、運よくプラスに転じると、人間は目の前の利益に飛びついてしまう傾向があります。
精神的に楽になりたいという思いもあり、少しの利益で決済してしまうのです。
たとえ勝率が5割以上だとしても、このようなトレードでは勝てません。
損が大きく、利が小さいトレードスタイルです。
稼いでいるトレーダーはこれと真逆の損小利大でトレードしています。
勝率が5割に達していなくても利益を出すことができるのです。
記事タイトルの意味が少し分かってきたでしょうか。
ポイント
損切りをマスターしないと損失が大きく利益が小さくなってしまう
プロスペクト理論を理解しよう
プロスペクト理論とは
ここまで勝率よりも損失と利益のバランスが大切だという話をしてきました。
損小利大にできない人間心理はプロスペクト理論というもので説明できます。
何やら難しそうな名前ですが、簡単に説明すると利益や損失に対しての人間の行動心理を説明したものです。
例で説明しましょう。
例1
[A] 10万円が無条件でもらえる。
[B] サイコロを投げ、偶数なら20万円もらえるが、奇数なら何ももらえない。
この場合はAを選ぶ人が多いのです。
期待値はどちらも10万円で同じはずなのにです。
例2
あなたに20万円の借金があった場合です。
[A] 無条件で10万円借金が減る。
[B] サイコロを投げ、偶数が出たら借金がなくなるが、奇数が出たら借金はそのまま。
この場合はBを選ぶ人が多いのです。
この場合も期待値はどちらも変わりません。
例1は利益に対する心理で、例2は損失に対する心理を読み取るものです。
まとめると、人は利益に対しては堅実だが、損失に対しては投機的=ギャンブル思考になる傾向があります。
FXにおいての例はもう必要ありませんね。
どうしても利益は小さく、損失は大きくなってしまいますよね。
つまりほとんどの人は何も考えずにFXをしてしまうと面白いほど負けてしまうのです。
プロスペクト理論に打ち勝つためには
このプロスペクト理論を克服するにはどうすれば良いのでしょうか。
一番大切なのは感情に任せてトレードをしないことです。
この理論は人間の行動心理からのものなので、感情を排除することが大切なのです。
では感情を排除したトレードをするために必要なことは何でしょうか。
それは徹底したルール作りと検証です。
検証とは過去のチャートで自分のルールを試してみることです。
この2つを徹底的に行えば機械式に感情に惑わされないトレードができるようになります。
具体的にどんなルールを作ってどのように検証していくのかは、今後説明していきますので楽しみにしておいて下さいね。
ポイント
プロスペクト理論を克服するにはトレードのルール作りと検証が必要
勝率とリスクリワードの関係に注目しよう
最初にFXは勝率2分の1ではないということをお伝えし、勝率が全てではないという話もしましたが、最後に具体的にイメージをしてみましょう。
例1
- 利益を5,000円、損失を1,000円に設定した場合
- 5回のトレードのうち1回以上勝てばトータルでプラス
- 勝率20%だとしても利益を出すことができる
例2
- 利益を1,000円、損失を5,000円に設定した場合
- 6回のトレードのうち1回でも負ければプラマイゼロ
- 勝率は83.3%以上にしないとトータルでプラスにすることはできない
FXを勉強してチャートが分かるようになってくると圧倒的に例1の方が、利益を出しやすくなります。
FXは勝率も大切ですが、それ以上に損失と利益のバランス=リスクリワードが大切だということが分かりましたか?
例1の場合は勝率をほんの少し上げるだけで、さらに利益が大きくなります。
バイナリーオプションって何
バイナリーオプションとは
最後に補足としてバイナリーオプションというものについて話しておきます。
今回のタイトルにも関係している内容です。
バイナリーオプションとはFXのオプション取引で、一定の時間が過ぎた後に為替レートがどうなっているのか(エントリー時のレートよりも上か下かなど)を予測します。
勝つと最高で資金が2倍近くになりますが、負けると全てを失います。
1回のトレードで多くの資金を使った場合は投機的な要素が強いですね。
バイナリーオプションなら勝率は2分の1なの?
さて、今回のテーマの勝率2分の1ですが、この場合はどうなのでしょうか。
数分後のレート判定を選択できる場合もあり、短時間でのトレードはどちらに動くか分かりにくいです。
そのため何も考えずに短時間のトレードをした場合は勝率50%程度に収束するかもしれません。
ただバイナリーオプションでは勝っても資金は2倍にはならないため勝率が50%ではトレードするほどに資金を失っていきます。
とにかく勝率をあげることがポイントですが、そのためにはチャートを検証して優位性の高いエントリーをしなければ勝ち続けるのは難しいです。
初心者に向いているの?
よくバイナリーオプションは初心者でも始めやすいと言われています。
確かに一旦エントリーしてしまえば終了時間が来るまですることはないので、取引自体は簡単だと言えます。
ただし、FXと同様に継続して勝つためには資金管理やチャート分析などの正しい知識を身につける必要があります。
トレードする上での根本的なところは同じですが、異なる点も当然あります。
例えばFXはどれくらい値幅を取れたか、つまりリスクリワードが重要ですが、バイナリーオプションではどのくらい値幅が取れたかではなく、とにかく勝率が第一です。
このように異なるところもあるので、初心者はまずはどちらかに絞って取り組むのが良いですね。
初心者の場合は、為替の全体像をつかむ上でもまずはFXを始めるのをおすすめします。
その後、バイナリーオプションに挑戦する場合でも、FXの知識があればスムーズに理解できるでしょう。
初心者こそリスク管理を学んだ上でFXを始めましょう!
ポイント
初心者は為替の全体像をつかむためにもFXから始めるのがおすすめ
今回のポイント
- 勝率にこだわるよりもリスクリワード(損と利のバランス)にこだわる
- 損と利のバランスが悪くなるのはプロスペクト理論が関係している
- プロスペクト理論に打ち勝つためにルール作り、検証は欠かせない
- 初心者は為替の全体像をつかむためにもバイナリーオプションよりFXの方がおすすめ